リミタリアニズム 財産上限主義の可能性
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2025年12月号掲載

リミタリアニズム 財産上限主義の可能性

今日の世界では、ごく一部の“超富裕層”が富を蓄積しすぎている ―― 。世界で広がる所得と資産の不平等の実態をもとに、「財産に上限を設ける」ことを説いた書だ。富の力が民主主義をも脅かしている現状に警鐘を鳴らし、社会に求められる変化を説く。著者は言う、誰も1000万ドル以上持つべきではない、と。

著 者:イングリッド・ロベインス、玉手慎太郎(監訳) 出版社:草思社 発行日:2025年9月
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地経学とは何か ――経済が武器化する時代の戦略思考
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2025年12月号掲載

地経学とは何か ――経済が武器化する時代の戦略思考

今日では、他国に圧力をかける「武器」として経済が利用されるケースが増えている。トランプ関税しかり、中国のレアアース輸出規制しかり…。国際政治学の第一人者が、こうした危機の時代を乗り切る上でカギとなる視座を提示。地政学と経済安全保障を掛け合わせた「地経学」の観点から、現代の世界情勢を読み解いていく。

著 者:鈴木一人 出版社:新潮社(新潮選書) 発行日:2025年9月
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トランプの貿易戦争はなぜ失敗するのか それでも保護主義は常態化する
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トランプの貿易戦争はなぜ失敗するのか それでも保護主義は常態化する

2025年4月、トランプ大統領が発表した関税措置。その狙いは、関税によってアメリカの中間層を苦境から救い、国内産業を復興し、貿易赤字を解消する、というものだ。しかし、どれも不可能、関税にそんな力はない。こう語る国際経済学の権威が、同大統領が仕掛けた貿易戦争の問題点、アメリカが今なすべきことを明らかにする。

著 者:リチャード・ボールドウィン、伊藤元重(監訳) 出版社:日経BP・日本経済新聞出版 発行日:2025年9月
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水の戦争
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2025年12月号掲載

水の戦争

今、「水」は、政治や経済を根底から揺さぶるリスク要因となりつつある。成長著しいAIや半導体の製造現場では膨大な水を消費。台湾の半導体大手は、水を求めて日本に進出した。一方で、極端な降水や乾燥が頻発する中、世界各地で水を巡る争いが激化している…。深刻化する「水の戦争」について、水ジャーナリストが報告する。

著 者:橋本淳司 出版社:文藝春秋(文春新書) 発行日:2025年9月
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福音派 ――終末論に引き裂かれるアメリカ社会
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福音派 ――終末論に引き裂かれるアメリカ社会

トランプ大統領の誕生・再選に関わるなど、近年、米国で影響力を増す“福音派”。「イエスの再臨が近いと信じ、自らを神の側に立つ“善”とみなすことで、道徳的退廃という“悪”に立ち向かう」。独特の終末論的世界観を持つ彼らの歩みを、本書は辿る。その軌跡から、同国で深まる亀裂の根源が見えてくる。

著 者:加藤喜之 出版社:中央公論新社(中公新書) 発行日:2025年9月
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人が集まる企業は何が違うのか 人口減少時代に壊す「空気の仕組み」
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2025年12月号掲載

人が集まる企業は何が違うのか 人口減少時代に壊す「空気の仕組み」

労働力が豊富な時代、企業は労働者の職種や勤務時間などを管理・命令した。しかし、労働力不足の今日、昔ながらのやり方では、人材を確保できない。企業の仕組み、雇用のあり方を変える必要があるが、その動きは鈍い。日本企業がなぜ変わりにくいのか、組織行動論の研究者が原因を分析。人口減少時代に必要な取り組みを示す。

著 者:石山恒貴 出版社:光文社(光文社新書) 発行日:2025年9月
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新・空き家問題 ――2030年に向けての大変化
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2025年12月号掲載

新・空き家問題 ――2030年に向けての大変化

現在、首都圏にある新築マンションの平均価格は8000万円超。庶民からは「高くて買えない」と悲鳴が上がる。しかし2030年以降、家が買いやすくなる!? 業界の第一人者が、住宅を巡る大変化を読み解いた。今後、増えてゆく空き家、高齢居住者の死去に伴う大量相続の問題について述べ、国の住宅政策の転換の必要性を訴える。

著 者:牧野知弘 出版社:祥伝社(祥伝社新書) 発行日:2025年2月
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2025年11月号掲載

ノスタルジアは世界を滅ぼすのか ある危険な感情の歴史

ヴィンテージファッションからドナルド・トランプの「アメリカを再び偉大な国に」まで。私たちの生活には“ノスタルジア”を刺激するものが溢れている。過去を懐かしみ、昔は良かったと思う。政治やビジネス、消費をも左右するこの感情は、いかに生まれ、利用されてきたのか。歴史を辿り、その知られざる力を解き明かす。

著 者:アグネス・アーノルド=フォースター 出版社:東洋経済新報社 発行日:2025年9月
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2025年11月号掲載

再雇用という働き方 ミドルシニアのキャリア戦略

本人が希望すれば65歳まで働ける今日、60歳の定年を機に引退する人は少ない。多くは再雇用され働き続ける。こうした「ミドルシニア(50~65歳)」が活躍するために、気をつけるべきことは何か。経験とスキルを備えた彼らを、「年下上司」はどうマネジメントすべきか。個人と組織の両面から、今後の働き方や支援策を提示する。

著 者:坂本貴志、松雄 茂 出版社:PHP研究所(PHP新書) 発行日:2025年8月
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2025年11月号掲載

サイコパスから見た世界 「共感能力が欠落した人」がこうして職場を地獄にする

あなたの知人の20人に1人は、“サイコパス”かも? ちょっと見たところ魅力的で、お世辞も上手。しかし、真の姿は狡猾で、共感力はまったくない。誰も信用できず、自分の利益のためなら他人がどうなってもいい。そんなサイコパスについて、脳科学や各種事例を基に解説。職場に潜む彼ら彼女らを見抜くためのヒントを示す。

著 者:デイヴィッド・ギレスピー 出版社:東洋経済新報社 発行日:2025年8月
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2025年10月号掲載

緊縮資本主義 経済学者はいかにして緊縮財政を発明し、ファシズムへの道を開いたのか

医療費削減、民営化、賃金引き締め…。歴史的に繰り返されてきた、様々な緊縮政策。その目的は、常に“財政健全化”とされてきた。しかし、真の狙いは「資本主義体制の維持」であり、単なる経済政策ではなかった! 第1次大戦後に端を発し、今日まで続く「富裕層への富の集中」と「労働者階級の抑圧」を、気鋭の経済史家が暴く。

著 者:クララ・E・マッテイ 出版社:東洋経済新報社 発行日:2025年8月
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2025年10月号掲載

幸福のための消費学

幸福をもたらす消費とはどのようなものか? 消費研究の第一人者が、近年のトピックスをもとに考察した。昭和レトロブーム、ミニマリズム…。様々な現象から導き出したのは、「文化」の豊かさを求めることと、「社会」に悪影響を及ぼさないこと。これらを両立させることが幸福のカギだとし、目指すべき消費のあり方を示す。

著 者:間々田孝夫 出版社:作品社 発行日:2025年6月
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2025年10月号掲載

男女賃金格差の経済学

日本の男女賃金格差は22%と、欧米のどの国よりも大きい。だが、その解消に向けた企業の動きは鈍い。「日本の取り組みは周回遅れ」。こう指摘する人事経済学の第一人者が、原因と対策をわかりやすく説く。労働時間やジェンダーバイアスなど、格差を生む要因、企業が行うべき取り組み、さらには格差縮小に伴うメリットが示される。

著 者:大湾秀雄 出版社:日経BP・日本経済新聞出版 発行日:2025年6月
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2025年10月号掲載

起業中毒 起業家の「加速する脳」を突き動かす刺激的かつ破壊的な衝動

研究によると、起業家はメンタルヘルスの問題を抱えやすい。うつ病を抱え、薬物を乱用し、果ては自殺に至る…。なぜか? 起業家でもあるメンタルヘルス研究者が、自らの経験と脳科学の見地から考察した。問題をもたらしているのは「ドーパミン」だと指摘し、この脳内化学物質に翻弄される起業家の実態を、事例を交え語る。

著 者:ニール・シーマン 出版社:東洋経済新報社 発行日:2025年7月
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2025年9月号掲載

アメリカの新右翼 トランプを生み出した思想家たち

今、アメリカで「新右翼」が頭をもたげつつある。従来の右派以上に、ナショナリズム、キリスト教的価値を重んじ、テクノロジーを積極的に受け入れる人たちだ。リベラルな価値観を批判する彼らは、社会をどう変えようとしているのか。アメリカ政治思想史の専門家が、トランプ政権の下、様変わりする右派の現状を読み解く。

著 者:井上弘貴 出版社:新潮社(新潮選書) 発行日:2025年6月
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2025年9月号掲載

新しいリベラル ――大規模調査から見えてきた「隠れた多数派」

これまで「リベラル」は、外交・安全保障や憲法改正などを巡り、「保守」と対立してきた。だが今、重視する論点が変わりつつある。人々の成長、次世代への支援を望んでいるのだ。従来型ではない、「新しいリベラル」。社会で多数を占めるにもかかわらず、見落とされてきたこの層の実像を、大規模な社会調査から明らかにする。

著 者:橋本 努、金澤悠介 出版社:筑摩書房(ちくま新書) 発行日:2025年6月
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2025年9月号掲載

新しい階級社会 最新データが明かす〈格差拡大の果て〉

「一億総中流」は、過去の話。日本はもはや、引き返せないまでに格差が広がった“新しい階級社会”だ! 日本の階級構造研究の第一人者が、今日の社会の実態を最新データに基づいて示した。非正規雇用で低賃金、結婚もできず社会的にも孤立…。そんな「アンダークラス」階級の存在など、危機的な現状を明らかにする。

著 者:橋本健二 出版社:講談社(講談社現代新書) 発行日:2025年6月
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2025年9月号掲載

となりの陰謀論

選挙で投票されたはずの票が消えた。欧米では大量の移民が、白人にとって代わろうとしている ―― 。近年、耳にすることが増えた陰謀論について、気鋭のメディア研究者が解説した。陰謀論はなぜ生まれるのか? 人はなぜ根拠のない話を信じるのか? 米国のトランプ大統領の事例などを引きつつ、社会を蝕む病の正体に迫る。

著 者:烏谷昌幸 出版社:講談社(講談社現代新書) 発行日:2025年6月
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2025年9月号掲載

テクノ専制とコモンへの道 民主主義の未来をひらく多元技術PLURALITY(プルラリティ)とは?

台湾の元デジタル大臣、オードリー・タンらが提唱する「デジタル民主主義」がもたらす未来を紹介。カギとなるのは、複数性や協働、デジタルなどを意味する「多元性(Plurality:プルラリティ)」だ。テクノロジーに支配されるのではなく、これを活用する。そうすれば、1人1人が自由に協働し自分の考えを存分に表明できる社会になるという。

著 者:李舜志 出版社:集英社(集英社新書) 発行日:2025年6月
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2025年9月号掲載

超新版 ティッピング・ポイント 世の中を動かす「裏の三原則」

マーケティングの口コミ理論を確立した名著が25年ぶりに生まれ変わった。小さな変化がウイルスのように広がり、やがて大きな流れに変わる「社会的伝染病」の原則を、時代に合わせ丸ごと書き直し! その場を覆う「空気感」、行動を意図的に操作する「ソーシャル・エンジニアリング」など、世の中を動かす仕組みが示される。

著 者:マルコム・グラッドウェル 出版社:飛鳥新社 発行日:2025年6月
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