2025年9月号掲載

超新版 ティッピング・ポイント 世の中を動かす「裏の三原則」

Original Title :Revenge of the Tipping Point:Overstories, Superspreaders,and the Rise of Social Engineering (2024年刊)

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著者紹介

概要

マーケティングの口コミ理論を確立した名著が25年ぶりに生まれ変わった。小さな変化がウイルスのように広がり、やがて大きな流れに変わる「社会的伝染病」の原則を、時代に合わせ丸ごと書き直し! その場を覆う「空気感」、行動を意図的に操作する「ソーシャル・エンジニアリング」など、世の中を動かす仕組みが示される。

要約

スーパースプレッダー

 25年前、私は著書『ティッピング・ポイント:いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか』で、ある仮説を提示した。

 新たなファッショントレンドの誕生、口コミによる情報の広がりなど、「日常に起きる変化は、伝染病のようなものとして考えるとわかりやすい」という仮説である。アイデア、メッセージ、行動は、ウイルスのように広がっていくのだ。

 この書で私は、「社会的伝染病」の原則をうまく使えば、犯罪率の低下や喫煙防止といった好ましい変化を促せる、と主張した。だが一方で、より良い世界をつくるのに役立つ原則は、人々に不幸をもたらすのに使われることもある。

 それはどのように使われるのか。そこで、社会を蝕む伝染病の原則について見ていこう ―― 。

犯罪がブームになる時

 1つ目の原則は、「スーパースプレッダー」だ。

 第二次世界大戦後、アメリカでそれまで頻発していた銀行強盗が下火になった。検挙率が高くて割に合わず、強盗は消滅しつつあると思われた。

 だがそれから、銀行強盗の大流行が起きた。1980年代初頭には、銀行強盗の数は1960年代末の5倍に増え、1991年にはFBIが全米の銀行から受けた通報は9388回にのぼった。

 この急増の震源地となっていたのがロサンゼルス市だ。同年、アメリカで起きた銀行強盗の実に4分の1が、ロサンゼルスで発生していた。

 わずか4年でキャスパーは175件の銀行強盗を“プロデュース”した。そして彼が銀行強盗がどれほどたやすいものかを世に示すと、他のギャング団もこぞって参入した。ピークだった1992年には、平均すれば銀行の1営業日あたり45分に1件のペースで銀行強盗が発生した。

 だがその後、キャスパーが逮捕されると、銀行強盗という熱病はわずか1年ほどで治まった。

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