最新号 共感経営

共感経営

かつて、アダム・スミスは『道徳感情論』において、「他者に対する共感」の重要性を提起した。その共感の思想が、260年を経た今、改めて世界中の経営者の注目を集めている。「資本主義の再構築」に向けての議論の中で浮かび上がってきた共感。この思想を読み解きながら、いちはやく経営に取り入れている事例を紹介する。

著 者:野中郁次郎、勝見 明 出版社:日経BP・日本経済新聞出版本部 発行日:2020年5月
最新号 白人ナショナリズム

白人ナショナリズム

トランプ政権誕生後の米国、そして近年、欧州各地で目に付くのが「白人ナショナリズム」だ。自国第一主義、白人中心の社会秩序の維持、反移民などを訴え、勢力を伸ばしつつある。その論理、心理はどのようなものか。今後どうなるのか。社会の分断を深め、リベラルな国際秩序を揺るがす、この文化的反動の動向を考察する。

著 者:渡辺 靖 出版社:中央公論新社(中公新書) 発行日:2020年5月

絶望を希望に変える経済学

今、世界は数々の難問を抱えている。不平等の拡大、移民問題、貿易戦争、環境問題…。だが、解決に向け、建設的な議論や行動を促すのではなく、責任を転嫁し、怒りを煽る政治指導者は少なくない。こうした現状に対し、2人のノーベル経済学賞受賞者が提言。より良い世界を築くべく、問題点を整理し、なすべきことを示す。

著 者:アビジット・V・バナジー、エステル・デュフロ 出版社:日経BP・日本経済新聞出版本部 発行日:2020年4月

AI世界秩序

AIがもたらす未来はユートピア? それともディストピア? IT業界で活躍する著者の見立ては、明るいものではない。今後、全世界の富は、AIの開発をリードする米中2国の巨大IT企業が吸い上げる。その一方、世界中で社会や雇用が不安定化し、格差が拡大。人間の存在意義をも揺るがす。そんなAI時代の世界秩序を提示する。

著 者:李開復 出版社:日経BP・日本経済新聞出版本部 発行日:2020年4月

イスラーム文化

イスラーム研究の世界的権威が、「イスラーム文化の根柢にあるもの」と題して行った講演を基に、この文化の源泉を解き明かす。いわく、イスラームは商売人の宗教である、すべての善悪は神の意志によって決まる…。誰の目にも映る表面的な姿ではなく、奥深いところにある本質、精神というべきものに迫った啓蒙書。

著 者:井筒俊彦 出版社:岩波書店(岩波文庫) 発行日:1991年6月

地球に住めなくなる日

気候変動による影響は、すでに危険域に入っている! 2018年夏、世界を殺人的な熱波が襲い、インドでは100年ぶりの大洪水が起きた。にもかかわらず、地球温暖化の問題については、どこか他人事。そんな現状に、一石を投じる書だ。大規模な気候難民、感染症のグローバル化等々、最悪の未来を具体的に示し、警鐘を鳴らす。

著 者:デイビッド・ウォレス・ウェルズ 出版社:NHK出版 発行日:2020年3月

グローバル・グリーン・ニューディール

地球温暖化が進む今日、“化石燃料文明”からの脱却はもはや待ったなし。地球上の生命を救うカギは、「グリーン・ニューディール」だと言う。社会の脱炭素化、スマートでデジタル化されたインフラの整備…。かつての米国のニューディール並みの経済政策の大転換を、『限界費用ゼロ社会』の著者ジェレミー・リフキンが提言する。

著 者:ジェレミー・リフキン 出版社:NHK出版 発行日:2020年2月

国家・企業・通貨

「国民国家・株式会社・中央銀行」。この3つが、現代の政治と経済の基本的な形だ。だが今、グローバリズムの広がりと経済活動のデジタル化により、3者のバランスが崩れ、社会を担う「中間層」が苦しみ、社会の亀裂が深まっている。悪循環に陥った資本主義が向かう先とは。現状と今後を、日銀出身の著者が詳しく読みとく。

著 者:岩村 充 出版社:新潮社(新潮選書) 発行日:2020年2月

タルピオット

近年、“起業国家”として世界の注目を集め、豊富なハイテク人材を輩出しているイスラエル。同国の躍進を支えているのが、スタートアップを取り巻く独自のエコシステム(生態系)だ。その中核を成す、国防軍のテクノロジーリーダー育成プログラム「タルピオット」に焦点を当て、イノベーションが生まれる秘密に迫る。

著 者:石倉洋子、ナアマ・ルベンチック、トメル・シュスマン(監修) 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2020年3月

ウイルスの意味論

ウイルスの生と死は、独特だ。天然痘やインフルエンザなど、たびたび世界的流行を引き起こしたが、細胞外では活動せず、感染力を失ってすぐ死ぬ。また近年、3万年以上も冬眠していたウイルスが、再び増殖し始めたという。本書は、単なる病原体ではなく、生命体としての視点から、ウイルスの驚くほど多様な生態を紹介する。

著 者:山内一也 出版社:みすず書房 発行日:2018年12月

AIvs.民主主義

不正に入手したSNS上の個人情報をAIで解析し、選挙キャンペーンに利用する。そんな信じがたいことが、2016年の米大統領選で行われたとの報道がある。AIによる世論の誘導が、トランプ大統領の誕生を後押ししたと指摘されているが、果たしてAIはどれほどの影響力を持つのか。NHK取材班が、世論操作の深層に迫る。

著 者:NHK取材班 出版社:NHK出版(NHK出版新書) 発行日:2020年2月

無形資産が経済を支配する

ソフトウェアやノウハウなど、物理的なモノではない資産を「無形資産」という。これが近年、先進国で増えており、一部の国では、土地・建物などの有形資産をしのぐほど。その台頭は「ちょっとした変化ではすまない」という著者たちが、無形資産の全貌を分析した。有形資産とは違う特徴や、生産性や格差に及ぼす影響などを説く。

著 者:ジョナサン・ハスケル、スティアン・ウェストレイク 出版社:東洋経済新報社 発行日:2020年1月

フラット化する世界〔普及版〕(上・中・下)

1989年、東西を分かつベルリンの壁が崩壊し、人や情報の往来が自由になる。そして、SNSやブログなど通信手段の発達は、遠くへ、速く、深く、手を広げる力を個人に与え、世界は“平ら”になった ―― 。今、猛スピードで進む新段階のグローバル化と人間の未来を、ピュリツァー賞を3度受賞したジャーナリストが見通す。

著 者:トーマス・フリードマン 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2010年7月

スティグリッツ PROGRESSIVE CAPITALISM

万人を豊かにする“進歩的資本主義”を説いた書。著者は、ノーベル経済学賞受賞者で、世界銀行のチーフエコノミストを務めた経済学者だ。アダム・スミスの言う「見えざる手」が機能していない市場原理主義の現状を明らかにし、誰もが中流の暮らしをするために、政府がなすべきことを提言。正しい資本主義のあり方を示す。

著 者:ジョセフ・E・スティグリッツ 出版社:東洋経済新報社 発行日:2020年1月

リベラリズムの終わり

米国のトランプ現象に見られるように、近年、「リベラリズム」に対する風当たりが強い。個人の自由の尊重、弱者救済といった主張が、なぜ嫌われるのか? 気鋭の哲学者が、リベラリズムを適用できない現代社会の実情、思想的限界を考察する。フェアネス(公平さ、公正さ)という、この思想の最良の部分を活かすために ―― 。

著 者:萱野稔人 出版社:幻冬舎(幻冬舎新書) 発行日:2019年11月

AFTER SHARP POWER 米中新冷戦の幕開け

「シャープパワー」。これは、情報の歪曲や世論操作などの強引な手段を使い、相手国に自国の方針をのませようとするもの。中国は主に米国で用いてきたが、近年、米国では警戒感が増し、排除の動きが進む。米中新冷戦の要因とされる、この新たなパワーはいかなるものか、詳しく説くとともに、日本が学ぶべき教訓についても記す。

著 者:小原凡司、桒原響子 出版社:東洋経済新報社 発行日:2019年12月

国際社会を支配する地政学の思考法

地政学は、国の地理的位置や歴史と、政治現象との関係を研究する学問だ。だがグローバル時代の今日、「地球全体」を視野に入れる必要がある。そんな現代の地政学、そして“地政学的戦略”を説いた書。歴史上の出来事や最新の世界情勢を引きつつ、権力者が用いる様々な戦略を語る。著者は、元欧州合同軍防諜・治安部隊長官。

著 者:ペドロ・バーニョス 出版社:講談社 発行日:2019年12月

7つの階級

これまで社会階級は、上流・中流・労働者の3つに分けられていた。だが、今はそう単純ではない。エリートと貧困層の間には、複雑で曖昧な中流層が存在する。本書は、「経済資本・文化資本・社会関係資本」の3つの所有の面から英国社会を分析、7階級の存在を明らかにした。格差について考える上で新たな視点をもたらす1冊だ。

著 者:マイク・サヴィジ 出版社:東洋経済新報社 発行日:2019年12月

危機と人類〔上〕〔下〕

著者は、『銃・病原菌・鉄』で知られるジャレド・ダイアモンド氏。本書では、国家的危機への対処法を、個人的危機の解決法というレンズを通して考察。近現代の国家の危機を事例に、劇的変化を乗り越えるための道筋を示す。国も人も、全く違うものへは変われない。危機に際しては、何を変え、残すか、「選択」が大事だという。

著 者:ジャレド・ダイアモンド 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2019年10月

米中貿易戦争の裏側

トランプ vs. 習近平 ―― 。ニュースでは決して報じられない米中対立の真実を、中国研究の第一人者が明かす。トランプがファーウェイの禁輸制裁緩和に傾いた理由や、中国「一帯一路」構想に隠された“中華の知恵”。激しさを増す覇権争い、変動する東アジアの行方を見通し、二極化が進む世界で日本はどうすべきかを考察する。

著 者:遠藤 誉 出版社:毎日新聞出版 発行日:2019年11月