2025年7月号掲載

カウンターエリート

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著者紹介

概要

今の体制に対立して、政府や官僚、マスコミなどを「既得権益化したエリート」だと批判する。こうした“カウンターエリート”が、今、世界中で支持を集めている。なぜか? 彼らが台頭した背景、世界観とは? シリコンバレーの大物投資家、米副大統領の思想に影響を与えたブロガーなどの声を基に、その思想を読み解く。

要約

選挙イヤーに誕生したカウンターエリート

 政府や官僚、マスコミなど「エリート」への反感が、世界的に強まっている。

 こうしたエリートを既得権益として批判し、喝采を浴びているのが「カウンターエリート」だ。

盛り上がるエリート批判

 世界的な選挙イヤーとなった2024年、ドナルド・トランプが返り咲いた米大統領選など、各国の変化を示すような選挙結果が相次いだ。

 こうした変化は、より大きな社会的変化を示唆している。それが、カウンターエリートの台頭だ。

 カウンターエリートは単なるアンチエリート(反エリート)を意味するわけではない。しかし、その現象はエリート批判として表出している。

 例えば、ジャコバン誌は、アメリカにおける反エリートの機運を以下のように表現する。

 ―― アメリカ人の70%が、強力な利害関係者が経済システムを不正に操作していると信じており、…国が「正しい方向に進んでいる」と信じている人は、ほとんどいない。

エリートによるエリート批判

 ただ少し考えてみれば、エリートに反旗を翻す批判者もまた「エリート」だ。ペンシルベニア大学から実業家として成功したトランプは、経歴だけを見ればエリートであることは間違いない。

 しかしそうではない。今起きている現象は、エリートではない人々からの単なる嫉妬、羨望ではなく、より構造的で広範な変化だと理解するべきだ。

カウンターエリートとは何か

 では、カウンターエリートとは何か?

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