簡素な生活
最新号掲載
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2023年10月号掲載

簡素な生活

私たちは、物質的に豊かになる中で大切なものを失った ―― 。文明化が進み、社会が複雑さを増しつつあった19世紀末、フランスの宗教家が「人間らしく生きる」ことを論じた書である。なぜ、財産があってもみじめな思いに囚われるのか? 人の本質を抉る著者の言葉は、100年以上の時を超え、現代の我々の心にも刺さるものだ。

著 者:シャルル・ヴァグネル 出版社:講談社(講談社学術文庫) 発行日:2001年5月

2023年9月号掲載

桁違いの成長と深化をもたらす 10X思考

「異次元の成長」を実現するカギは、“思考法”だ! 分析力に優れるロジカル・シンキング、想像力を駆使するデザイン・シンキング、そして世界を複雑系として捉えるシステム・シンキング…。様々な思考の技術を生み、さらに広がり続ける“知”の最前線を解説する。新時代を切り拓く人財になるための、思考の手引書だ。

著 者:名和高司 出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン 発行日:2023年6月

2023年7月号掲載

思考停止という病理(やまい) もはや「お任せ」の姿勢は通用しない

人を信じて疑わず、何でも専門家に「お任せ」する。日本人の多くがそんな習性を身につけている。だが、グローバル化が進む中、「お任せ」の姿勢につけ込まれ、騙される人が続出。多様な価値観が流入する今、日本人は自ら考え、判断し、行動しなければならない。そう語る心理学者が、“思考停止”に陥った日本に警鐘を鳴らす。

著 者:榎本博明 出版社:平凡社(平凡社新書) 発行日:2023年5月

2023年6月号掲載

聖書がわかれば世界が見える

世界三大宗教の1つ、キリスト教。世界人口の約3割を占めるとされる信徒の動向は、国際情勢に与える影響も大きい。世界を理解する上で、知っておきたいこの宗教について、池上彰氏がわかりやすく説く。世界宗教への発展の契機となった「宗教改革」、イスラム教徒らを虐殺した「十字軍」など、その光と闇の歴史が語られる。

著 者:池上 彰 出版社:SBクリエイティブ(SB新書) 発行日:2022年10月

2023年6月号掲載

永遠平和のために

ドイツの哲学者、カントが著した平和論の古典。戦争を将来にわたって防ぎ、地上に恒久の平和を築くための方途が説かれる。常備軍の全廃、諸国家の民主化、国際連合の創設…。平和の実現が空論ではない根拠を示し、平和への努力を促す。ロシアのウクライナ侵攻など、いまだ戦火の絶えない今日、改めて熟読したい書である。

著 者:カント 出版社:岩波書店(岩波文庫) 発行日:1985年1月

2023年5月号掲載

イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

「イスラエル人とパレスチナ人はどちらも正しく、どちらも間違っている」。こう語る著者が、イスラエルについて知っておくべきことを1冊にまとめた。ユダヤ人・パレスチナ人の起源とは? なぜ紛争が続くのか? そもそも、何が問題なのか? 中東の小国にして、世界が注目する“この国”を、正しく理解するための入門書だ。

著 者:ダニエル・ソカッチ 出版社:NHK出版 発行日:2023年2月

2023年5月号掲載

田坂広志 人類の未来を語る 未来を予見する「12の洞察」

人類の未来は、どこに向かうのか。そして、これからの時代にどう処すべきか ―― 。多くの人が抱く疑問に答える。その方法は、“弁証法による未来予見”。「欧州最高の知性」ジャック・アタリ氏が称賛する、著者・田坂氏のものの見方だ。複雑性を増す社会、民主主義の今後…。12のテーマを取り上げ、明快に読み解いていく。

著 者:田坂広志 出版社:光文社 発行日:2023年3月

2023年5月号掲載

戦後史の正体 1945-2012

元外務省・国際情報局長の著者は言う。戦後の日本外交を動かしてきた原動力は、「米国からの圧力」と、それに対する「自主」路線と「追随」路線のせめぎ合いだった、と。しかし、こうした視点で戦後史を述べたものはほとんどない。本書では、吉田茂や重光葵など、重要人物の動きを追いつつ、戦後70年の真実を明らかにする。

著 者:孫崎 享 出版社:創元社 発行日:2012年8月

2023年4月号掲載

貴族とは何か ノブレス・オブリージュの光と影

「自分たちは特別な存在」「何をしても許される」…。近年、そう言わんばかりの「上級国民」の姿がたびたび社会を騒がせている。そんな世の中にあって、「高貴なる者の責務(ノブレス・オブリージュ)」のあり方を問い直す書だ。歴史を繙けば、貴族は特権だけでなく、社会に対する責務も負っていた。経済格差が広がる今日、その精神に学ぶべき点は多い。

著 者:君塚直隆 出版社:新潮社(新潮選書) 発行日:2023年1月

2023年4月号掲載

人はなぜ「自由」から逃走するのか エーリヒ・フロムとともに考える

自由を獲得したはずの西欧近代で起きた、全体主義の台頭。その根底には、“自由”から逃れ、権威に“服従”しようとする人々の願望があった ―― 。孤独と不安が蔓延する時代に、「強いリーダー」を求めてしまう人間の心理を描いた、エーリヒ・フロムの『自由からの逃走』。この名著を読み解き、なぜ自由が重荷になるのか考察する。

著 者:仲正昌樹 出版社:ベストセラーズ 発行日:2020年9月

2023年3月号掲載

ゼロからの『資本論』

1867年に初版が刊行された『資本論』。世界的な名著だが、読み通すのは容易ではない。本書は、難解・長大で知られる、この大著のエッセンスをわかりやすく説くもの。近年の研究成果も踏まえ、『資本論』を従来にない視点から読み直し、マルクスの真意に迫る。誰もが理解できる、文字通り“ゼロから”の入門書だ。

著 者:斎藤幸平 出版社:NHK出版(NHK出版新書) 発行日:2023年1月

2023年3月号掲載

哲学100の基本

哲学は、新たな視点から世界を見るための“メガネ”だ ! 人は生きていく中で様々な疑問に直面する。人間とは何か、どうすれば幸福になれるか、社会をどう理解すべきか…。こうした問題を解くヒントを、哲学者たちは示してきた。本書は2500年におよぶ哲学の歴史をたどり、「知の巨人たち」の思考のエッセンスを解説する。

著 者:岡本裕一朗 出版社:東洋経済新報社 発行日:2023年1月

2023年3月号掲載

これが「日本の民主主義」!

ジャーナリストの池上彰氏が、安保法制やメディアなど、様々なテーマから政治の変遷と問題点をわかりやすく解説。議論が足りないまま軍隊へ発展する自衛隊、数の論理で法案を押し通す与党…。国民の意思と無縁のところで決まる、「日本の民主主義」の姿を示す。国内外の政治が大きく揺れ動く今、手に取りたい1冊だ。

著 者:池上 彰 出版社:集英社(集英社文庫) 発行日:2021年2月

2023年3月号掲載

韓非子 全現代語訳

法律や権力による強い統制でもって国を治めよ ―― 。支配者たるべき者の統治思想を、現実主義的な観点から説く『韓非子』。春秋戦国以後、2000年以上読み継がれてきたこの中国古典を、平易な現代語訳で紹介する。人間の本質を鋭く抉るその思想は今なお古びず、精彩を放つ。マキャベリの書と並び称される“不滅の君主論”だ。

著 者:本田 済(訳) 出版社:講談社(講談社学術文庫) 発行日:2022年9月

2023年1月号掲載

ハイパーインフレの悪夢 ――ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する――

1923年、ドイツは空前絶後のハイパーインフレに見舞われた。毎日、商品は値上がりし、紙幣は紙くず同然に。そして国が破綻…。通貨の価値が10年前の1兆分の1になるという「通貨の崩壊」は、なぜ起きたのか? パニックに陥った国民、困難な決断を先延ばしにした政治など、当時の状況を克明に描き、我々の反面教師とする。

著 者:アダム・ファーガソン 出版社:新潮社 発行日:2011年5月

2022年12月号掲載

世界から戦争がなくならない本当の理由

第二次世界大戦が終わって70年余り。しかし、戦争やテロは、常にどこかで起きている。ベトナム、アフガニスタン、中東、そしてウクライナ…。「戦争のない世界」はやって来るのか。そして、日本は本当に「平和」なのか。多方面で活躍するジャーナリストが、戦後の世界と日本を振り返り、戦争をなくすための教訓を引き出す。

著 者:池上 彰 出版社:祥伝社(祥伝社新書) 発行日:2019年8月

2022年11月号掲載

アメリカとは何か 自画像と世界観をめぐる相剋

ポピュリズムが頭をもたげ、保守派とリベラル派の対立が激しさを増す米国。今、この国の民主主義、アイデンティティが大きく揺らいでいる。なぜか? そしてこれは、米国の歴史においてどう位置づけることができるのか? 建国からの歩みをたどりつつ、深さを増す現代米国の分断状況を分析し、民主主義の行方を展望する。

著 者:渡辺 靖 出版社:岩波書店(岩波新書) 発行日:2022年8月

2022年11月号掲載

悪党たちの中華帝国

中国の統治者・偉人は、なぜか「悪党」ばかりである。隋の煬帝を徹底的に貶めることで、明君として名を残した唐の太宗。朱子学が盛んになったことで、結果的に学問の停滞を招いた朱子…。中国の歴史を動かしてきた「悪党たち」にスポットライトを当て、7世紀に始まる唐代から20世紀の辛亥革命までの1400年史を捉え直す。

著 者:岡本隆司 出版社:新潮社(新潮選書) 発行日:2022年8月

2022年11月号掲載

【新装版】日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか

カルト教団に酷い目に遭わされたり、最悪、殺されたり…。こうした事態を招くのも、日本人が宗教を知らないから、と語る著者が、日本人が知っておくべき宗教の「根本原理」を説いた。オウム真理教などの問題がクローズアップされた2000年に刊行され、読み継がれてきた書の新装版。知の巨人・小室直樹氏ならではの解説書だ。

著 者:小室直樹 出版社:徳間書店 発行日:2021年12月

2022年10月号掲載

グランゼコールの教科書 フランスのエリートが習得する最高峰の知性

「グランゼコール」とは、マクロン大統領らを輩出したフランスの“エリート養成校”のこと。入学するには、文学、歴史、哲学、科学などの総合的知識、すなわち「文化概論」を学ばねばならない。本書はその概要 ―― ギリシアから21世紀までの西欧文明を800頁超にわたり詳述。エリートが習得する教養レベルの高さに驚かされる。

著 者:ジャン=フランソワ・ブラウンスタン、ベルナール・ファン 出版社:プレジデント社 発行日:2022年6月
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