最新号 白人ナショナリズム

白人ナショナリズム

トランプ政権誕生後の米国、そして近年、欧州各地で目に付くのが「白人ナショナリズム」だ。自国第一主義、白人中心の社会秩序の維持、反移民などを訴え、勢力を伸ばしつつある。その論理、心理はどのようなものか。今後どうなるのか。社会の分断を深め、リベラルな国際秩序を揺るがす、この文化的反動の動向を考察する。

著 者:渡辺 靖 出版社:中央公論新社(中公新書) 発行日:2020年5月
最新号 禅とはなにか

禅とはなにか

今日、日本だけでなく、世界的なものとなりつつある禅。その思想は、忙しい現代人の“心の問題”に応えてくれる ―― 。禅修行を経験した仏教学者が、深い学識に裏付けられた研究成果を基に、禅の世界をわかりやすく説いた入門書である。自分を縛るものから解放され、あくせくせず、心豊かに生きるヒントを与えてくれる。

著 者:鎌田茂雄 出版社:講談社(講談社学術文庫) 発行日:1979年7月

WHO YOU ARE

組織の成功のカギ。それは業績でも製品でもなく、「文化」だ。チンギス・ハンら、歴史上の人物たちも、組織文化を創り上げることで成功した。では、どうすれば優れた組織文化を築けるのか? 資金ショートや株価急落など、様々な苦難をくぐり抜けてきた起業家が、18年かけて見いだした、困難を乗り越える文化の創り方を明かす。

著 者:ベン・ホロウィッツ 出版社:日経BP 発行日:2020年4月

ウイルスは悪者か

スペインかぜ、エボラ出血熱、そして新型コロナウイルス感染症…。パンデミックをもたらすウイルスは、人間にとって脅威だ。だが、ウイルスを研究する著者によれば、感染の広がりは人が自然界に入り込みすぎたからでもある。ウイルス自体は「悪者」ではないとし、生物とも無生物ともいえない、この曖昧な存在の本質に迫る。

著 者:髙田礼人 出版社:亜紀書房 発行日:2018年11月

沈黙の春

自然を破壊し、人体を蝕む化学薬品。本書は、その危険性に対する認識がまだ十分でなかった1962年に刊行され、化学薬品乱用の恐ろしさを世に訴えた。水や土壌の汚染、害虫の大発生、そして化学物質による発癌…。地球環境問題が深刻化している今、改めて著者の警告に耳を傾けたい。半世紀を超えて読み継がれる名著である。

著 者:レイチェル・カーソン 出版社:新潮社(新潮文庫) 発行日:1974年2月

外国人にささる日本史12のツボ

グローバルなビジネスの現場では、自国の歴史に関する知識が欠かせない。だが、戦国武将や幕末といった日本人が好むテーマは、意外にも外国人にはウケないという。では、彼らはどのような歴史・文化に関心を寄せるのか? 世界96カ国を訪れた元外交官が、外国人にささるテーマを厳選、興味深いエピソードを交え解説する。

著 者:山中俊之 出版社:朝日新聞出版 発行日:2020年3月

イスラーム文化

イスラーム研究の世界的権威が、「イスラーム文化の根柢にあるもの」と題して行った講演を基に、この文化の源泉を解き明かす。いわく、イスラームは商売人の宗教である、すべての善悪は神の意志によって決まる…。誰の目にも映る表面的な姿ではなく、奥深いところにある本質、精神というべきものに迫った啓蒙書。

著 者:井筒俊彦 出版社:岩波書店(岩波文庫) 発行日:1991年6月

ウイルスの意味論

ウイルスの生と死は、独特だ。天然痘やインフルエンザなど、たびたび世界的流行を引き起こしたが、細胞外では活動せず、感染力を失ってすぐ死ぬ。また近年、3万年以上も冬眠していたウイルスが、再び増殖し始めたという。本書は、単なる病原体ではなく、生命体としての視点から、ウイルスの驚くほど多様な生態を紹介する。

著 者:山内一也 出版社:みすず書房 発行日:2018年12月

スモール・イズ・ビューティフル

第2次大戦後、世界経済は飛躍的な成長を遂げた。その礎となったのは、自然環境を破壊する生産体制と、富を求める人々の貪欲さだ。だが、こうした繁栄はいつまでも続かない。やがて資源は枯渇し、エネルギー危機が訪れる ―― 。現代社会の根底にある物質至上主義を鋭く批判し、「人間中心の経済学」を考察した名著である。

著 者:E・F・シューマッハー 出版社:講談社(講談社学術文庫) 発行日:1986年4月

『論語』がわかれば日本がわかる

上下関係はあるのが当たり前、ホンネとタテマエの使い分けは必要…。こうした「日本人らしい」とされる価値観は、どこから来たのだろう。本書いわく、江戸時代以降、『論語』や儒教を基に形成された。日本人の心に刷り込まれ、今もなお、私たちを無意識に縛るもの。その正体を、孔子らの教えを手掛かりに解き明かす。

著 者:守屋 淳 出版社:筑摩書房(ちくま新書) 発行日:2020年2月

フラット化する世界〔普及版〕(上・中・下)

1989年、東西を分かつベルリンの壁が崩壊し、人や情報の往来が自由になる。そして、SNSやブログなど通信手段の発達は、遠くへ、速く、深く、手を広げる力を個人に与え、世界は“平ら”になった ―― 。今、猛スピードで進む新段階のグローバル化と人間の未来を、ピュリツァー賞を3度受賞したジャーナリストが見通す。

著 者:トーマス・フリードマン 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2010年7月

リベラリズムの終わり

米国のトランプ現象に見られるように、近年、「リベラリズム」に対する風当たりが強い。個人の自由の尊重、弱者救済といった主張が、なぜ嫌われるのか? 気鋭の哲学者が、リベラリズムを適用できない現代社会の実情、思想的限界を考察する。フェアネス(公平さ、公正さ)という、この思想の最良の部分を活かすために ―― 。

著 者:萱野稔人 出版社:幻冬舎(幻冬舎新書) 発行日:2019年11月

世界を知るための哲学的思考実験

遺伝子操作やAI、人口減少…。今日、私たちが直面する様々な問題、予測不能な世界を理解する上で役立つのが「思考実験」だ。つまり、頭の中で「もし~ならば…」と考える。「チンパンジーとの子どもを望む女性がいたら?」「AIが人の仕事を奪う社会でも資本主義は続くのか?」など、極限的な事態を考えることで、思考の幅が広がる!

著 者:岡本裕一朗 出版社:朝日新聞出版 発行日:2019年12月

危機と人類〔上〕〔下〕

著者は、『銃・病原菌・鉄』で知られるジャレド・ダイアモンド氏。本書では、国家的危機への対処法を、個人的危機の解決法というレンズを通して考察。近現代の国家の危機を事例に、劇的変化を乗り越えるための道筋を示す。国も人も、全く違うものへは変われない。危機に際しては、何を変え、残すか、「選択」が大事だという。

著 者:ジャレド・ダイアモンド 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2019年10月

君あり、故に我あり

9歳で出家。20代の時、英米仏露の核大国などを歩いて訪問。その後、イギリスに居を定め、洋の東西を統合した、独自の思想を築く ―― 。インド生まれの思想家が、その心の旅を語り、世界平和に向けて提言した。世界の対立は、西洋的な二元論が原因だとし、相互関係・共生関係の大切さを訴える。「君あり、故に我あり」と。

著 者:サティシュ・クマール 出版社:講談社(講談社学術文庫) 発行日:2005年4月

超約 ヨーロッパの歴史

今、ブレグジットや移民問題で揺れるヨーロッパ。その文明の本質を知り、グローバルな教養を身につけるための「最も短い欧州史」だ。ヨーロッパ文明を大胆に、「古代ギリシャ・ローマ文化」「キリスト教」「ゲルマン戦士」に絞り込んで考察。これら3つの要素が“絆”を結ぶことで、独特なヨーロッパ文明が形成されたと語る。

著 者:ジョン・ハースト、福井憲彦(監修) 出版社:東京書籍 発行日:2019年4月

ポピュリズムとは何か

トランプ米大統領の自国第一主義、ジョンソン英首相が進めるEU離脱…。近年、世界ではポピュリズム政党・政治家の台頭が著しい。“人気取り政治”といわれ、民主主義に害を及ぼすと見られがちな「ポピュリズム」。本書は、この政治運動・思想を理論的に位置づけた上で、成立の背景、欧州での広がりを分析、その姿を明らかにする。

著 者:水島治郎 出版社:中央公論新社(中公新書) 発行日:2016年12月

中国名言集

「千里の行は足下に始まる」「君子は和して同ぜず」「先ず隗従り始めよ」…。中国文学者が、中国の史書、詩文などから時代を超えて生き続ける名言を厳選、明晰な解説を添えて紹介する。誰もが知る極め付きの名言から、隠れた名言、人生の機微を映し出す俗諺まで。様々なニュアンスに富む多種多様の言葉を味わえる1冊である。

著 者:井波律子 出版社:岩波書店(岩波現代文庫) 発行日:2017年11月

結婚不要社会

深刻な問題となっている、日本の若者の未婚化。その背後に何があるのか。「婚活」という言葉を世に浸透させた社会学者が、日本社会を分析し、結婚難の真相に迫った。結婚が不可欠だった近代から、困難になっている現代、そして結婚不要化が進む未来まで。欧米の事情と比較しつつ順を追って解説し、結婚のあり方を考察する。

著 者:山田昌弘 出版社:朝日新聞出版(朝日新書) 発行日:2019年5月

ビッグ・クエスチョン

「ビッグ・クエスチョン」 ―― 誰も解き明かしていない“究極の問い”に、車いすの天才として知られるホーキング博士が挑んだ。神は存在するのか? 人工知能は人間より賢くなるのか? 等々、多くの人が抱く10の疑問に、わかりやすく答える。理論物理学をはじめ深い知恵に裏打ちされた、刺激的で洞察に満ちた1冊である。

著 者:スティーヴン・ホーキング 出版社:NHK出版 発行日:2019年3月