私の親鸞 最新号
最新号

2022年1月号掲載

私の親鸞

「人は1人でいても孤独ではない。もう1人、親鸞という人物が常にそばにいてくれるからだ」。五木寛之氏、89歳。30代で出会った浄土真宗の開祖と、半世紀以上、共に歩んできた。封印し続けた過酷な引き揚げ体験、そこで抱いた罪の意識、そして心癒やされた親鸞の言葉…。“わが心の親鸞”を語った、半自伝的親鸞論である。

著 者:五木寛之 出版社:新潮社(新潮選書) 発行日:2021年10月
大衆の反逆 最新号
最新号

2022年1月号掲載

大衆の反逆

原著の刊行は1930年。共産主義のソ連が成立し、ドイツでナチスが台頭する中、社会の“大衆化”に警鐘を鳴らした書だ。「みんなと同じ」ことに満足し、少数者を踏みにじる大衆は、なぜ生まれ、世界をどう変質させたか。かつて著者が危惧し、論じた問題は遠い昔の話ではない。分断と不寛容が広がる今日、改めて読みたい名著である。

著 者:オルテガ・イ・ガセット 出版社:岩波書店(岩波文庫) 発行日:2020年4月

2021年12月号掲載

台湾VS中国 謀略の100年史

近年、激しさを増す中国と台湾との対立。この問題を理解するには、過去100年余の歴史を繙く必要がある。中華民国建国、共産党誕生、満州事変…。当時の指導者に焦点を当てつつ、中華圏の近現代史を通観した。中国いわく、尖閣諸島は台湾の一部。つまり中台の問題は日本の問題でもあり、その理解は私たちにとっても大切だ。

著 者:近藤大介 出版社:ビジネス社 発行日:2021年10月

2021年12月号掲載

文学部の逆襲

今日、資本主義は一部の者だけを潤し、多くの人は豊かになれない。民主主義も、資本の意向に左右され、機能不全に陥っている。こうした状況を打破するカギは、「物語」だ。歴史を振り返れば、感動を生む物語が世の中を新しい方向へ導いた。本書は、人々に共感される「大きな物語」、それを紡ぎ出す“人文の力”の重要性を説く。

著 者:波頭 亮 出版社:筑摩書房(ちくま新書) 発行日:2021年10月

2021年12月号掲載

ブッダが見つけた四つの真実

世界三大宗教の1つで、今や西洋でも広く信仰される仏教。その本質をわかりやすく説いた書だ。仏教の基本概念は〈四法印〉と呼ばれ、「諸行無常」「一切皆苦」などの言葉で知られるが、初心者には理解しにくい。これらの概念を、難しい仏教用語を使わず語る。著者はブータン生まれ、世界を股にかけ、仏教の普及に努める人物。

著 者:ゾンサル・ジャムヤン・ケンツェ 出版社:創元社 発行日:2021年5月

2021年12月号掲載

言志四録 全四巻

幕末の儒学者・佐藤一斎が、倫理道徳や学問修養、処世の教訓などを説いた『言志四録』。幕末から明治にかけて多くの人々に影響を与え、かの西郷隆盛も座右の書としていたという。数々の金言が収められたこの語録を、本書は簡潔な訳文で紹介。時代を経た今もなお、修養の糧として、処世の心得として、貴重な指導書である。

著 者:佐藤一斎、川上正光(全訳注) 出版社:講談社(講談社学術文庫) 発行日:1978年8月

2021年11月号掲載

日本大空襲「実行犯」の告白

死者、1年弱で約46万人。太平洋戦争末期、アメリカによる無差別爆撃で奪われた命だ。もはや敗色が濃い日本を、なぜここまで徹底的に痛めつけたのか? 背景にあったのは、当時のアメリカ航空軍の“野望”だった! NHKの総力取材をもとに、これまで謎に包まれていた「日本大空襲」の真相を明らかにする。

著 者:鈴木冬悠人 出版社:新潮社(新潮新書) 発行日:2021年8月

2021年11月号掲載

〈生きる意味〉を求めて

社会に蔓延する虚無感、増える若者の自殺…。第二次大戦下、ナチスの強制収容所に送られた精神科医が、現代人が抱える様々な心の問題を論じる。過酷な体験の後、独自の心理療法を生んだ著者は、人は探求すべき“意味”さえ見いだせば、苦しみをも甘受するという。生きる意味を求めてもがく人々に一筋の光を与えてくれる1冊。

著 者:ヴィクトール・E・フランクル、諸富祥彦(監訳) 出版社:春秋社 発行日:1999年10月

2021年10月号掲載

新訂 孫子

中国最古の兵法書『孫子』。戦争における戦略・戦術を論じたこの書は、約2500年もの間読み継がれてきた。それは、随所で示される深い洞察が人生の問題にも適用できるものだからだろう。「兵とは詭道なり」「彼れを知りて己れを知れば、百戦して殆うからず」…。現代にも通じる普遍的な戦略の数々を、平易な現代語訳で紹介。

著 者:金谷 治(訳注) 出版社:岩波書店(岩波文庫) 発行日:2000年4月

2021年8月号掲載

社会思想としてのクラシック音楽

時代を超える名曲を生んだ近代西洋の音楽家たち。バッハ、ハイドン、モーツァルト…。彼らの創作活動は、当時の社会体制と深く結びついていた。それはどのようなものだったか。クラシック音楽に造詣の深い経済学者が、名曲の数々を交え考察する。音楽をめぐる近代史を社会科学の視点から読み解いた、リベラル・アーツ講義。

著 者:猪木武徳 出版社:新潮社(新潮選書) 発行日:2021年5月

2021年8月号掲載

レイシズム

ある人種は生まれながらに優秀で、他の人種はそうではない。レイシズムは、こうした優劣が人種ごとにあるとする。だがそれは、根拠のない偏見に過ぎない ―― 。ナチス台頭の時代、文化人類学者の著者はそう指摘し、レイシズムの迷妄を明らかにした。本書が鳴らした警鐘は、社会の断絶が深まっている現代にも通じるものである。

著 者:ルース・ベネディクト 出版社:講談社(講談社学術文庫) 発行日:2020年4月

2021年7月号掲載

道徳感情論

著者は、アダム・スミス。ご存じ、『国富論』を著した“経済学の父”である。同書では「自己の利益」の追求が語られたが、それに先立って書かれた『道徳感情論』では、他者への「共感」が人間行動の根底にあるとする。人は「他の人のことを心に懸けずにはいられない」と。この道徳哲学の名著を、新訳で紹介する。

著 者:アダム・スミス 出版社:日経BP社(日経BPクラシックス) 発行日:2014年4月

2021年6月号掲載

フランクリン自伝

貧しい家庭に生まれながらも、印刷業者として成功し、米国の独立宣言の起草に携わるなど、政治家としても活躍したフランクリン。有名な「13の徳目」をはじめ、彼が成功への歩みの中で行ったことを詳述した本書は、立身出世のバイブルとして、米国ばかりか日本でも読み継がれてきた。この自伝文学の古典を、完訳で紹介する。

著 者:フランクリン 出版社:岩波書店(岩波文庫) 発行日:1957年1月

2021年5月号掲載

アメリカを動かす宗教ナショナリズム

アメリカの社会や政治は、「宗教」を抜きに語れない。中でも大きな影響力を持つのが、聖書を絶対視し、中絶に反対し、進化論を否定するキリスト教の「福音派」だ。政治的には、トランプ前大統領誕生のカギとなった。この教派はいかに発展し、いつから政治化したのか。歴史を遡り、地理的な条件を考察し、実態を明らかにする。

著 者:松本佐保 出版社:筑摩書房(ちくま新書) 発行日:2021年2月

2021年5月号掲載

幸福について

真の幸福とは何か。幸福な人生を過ごすには何が必要か ―― 。古から考察されてきたこのテーマについて、19世紀ドイツを代表する哲学者が論じた。古人の箴言などを引きつつ、風刺とユーモアの効いた筆致で人生の意義や幸福の本質を描きだす。現代社会を生きる我々にも多くの示唆を与えてくれる、人生論の古典的名著である。

著 者:ショーペンハウアー 出版社:新潮社(新潮文庫) 発行日:1958年3月

2021年4月号掲載

五輪書 全訳注

不敗の剣豪として知られる宮本武蔵。彼が遺した著作には、命がけの体験を通して究めた兵法の奥義、そして人生観が詰まっている。「我に師匠なし」「別れを悲しまず」「事において後悔をせず」…。一切の甘えを捨て、ただひたすら剣に生きた武蔵の言葉は、人生を生き抜く上で大切にすべきことを、私たちに教えてくれる。

著 者:宮本武蔵、鎌田茂雄(訳注) 出版社:講談社(講談社学術文庫) 発行日:1986年5月

2021年2月号掲載

渋沢栄一 「論語と算盤」の思想入門

貨幣制度の統一、近代的銀行制度の立ち上げ、太陰暦から太陽暦への変更。これら全てに関わったのが、渋沢栄一だ。彼なくして、日本の近代化はなかったといえよう。では、偉業を支えた行動原理は、何だったのか。その人生をたどりつつ、彼の思想の核である「論語と算盤」 ―― 道徳と経済を一致させた思想を解き明かす。

著 者:守屋 淳 出版社:NHK出版(NHK出版新書) 発行日:2020年12月

2021年2月号掲載

縮訳版 戦争論

「戦争は他の手段をもってする政治の継続」だ ―― 。こう喝破したクラウゼヴィッツの『戦争論』は、『孫子』と並び称される戦略論の名著である。ただ、その難解さゆえ、通読するのは骨が折れ、読まれざる名著の代表でもある。本書は、そんな難攻不落の書の“縮訳版”。重要な部分を抜き出し、わかりやすい日本語で紹介する。

著 者:カール・フォン・クラウゼヴィッツ 出版社:日経BP・日本経済新聞出版本部 発行日:2020年11月

2021年1月号掲載

ポストトゥルース

「ポストトゥルース」。これは、客観的事実より感情に訴える方が影響力のある状況のこと。2016年の米大統領選でのトランプの勝利等を機に、急速に広まった語だが、現象そのものは古くからある。科学の否定、認知バイアス、メディアの変容…。様々な角度から、“真実が輝きを失う”プロセスを、科学哲学の専門家が明らかにする。

著 者:リー・マッキンタイア、大橋完太郎(監訳) 出版社:人文書院 発行日:2020年9月

2021年1月号掲載

中国戦略“悪”の教科書

中国の兵法書といえば『孫子』が有名だが、もう1つ忘れてならないのが『兵法三十六計』。その教えは『毛沢東語録』に引用され、中国指導者の発言にもよく登場する。本書では、元防衛省情報分析官が、現実に応用されている事象などを挙げつつ、各計をわかりやすく解いた。中国の対日工作の狙いを知る上で、参考となる1冊だ。

著 者:上田篤盛 出版社:並木書房 発行日:2016年10月