2025年9月号掲載
新しい階級社会 最新データが明かす〈格差拡大の果て〉
- 著者
- 出版社
- 発行日2025年6月19日
- 定価1,320円
- ページ数329ページ
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著者紹介
概要
「一億総中流」は、過去の話。日本はもはや、引き返せないまでに格差が広がった“新しい階級社会”だ! 日本の階級構造研究の第一人者が、今日の社会の実態を最新データに基づいて示した。非正規雇用で低賃金、結婚もできず社会的にも孤立…。そんな「アンダークラス」階級の存在など、危機的な現状を明らかにする。
要約
「新しい階級社会」とは何か
「階級」とは、同じような経済的位置を占め、このために同じような労働のあり方、生活水準、ライフスタイルにある人々の集まりのことだ。そして人々を、格差と利害の対立をはらんだいくつかの階級へと分け隔てるような社会の構造を「階級構造」といい、こうした社会を「階級社会」という。
かつて日本は、国民のほとんどが豊かな暮らしを送る格差の小さい社会だった。しかし、1980年前後に始まった格差拡大は、日本を「新しい階級社会」に変えてしまった ―― 。
「新しい階級社会」のしくみ
「新しい階級社会」とは、格差拡大とともに新しい下層階級が出現した社会のことである。
これまで、資本主義社会には一般に4つの階級が存在するとされてきた。
両極に位置するのは、企業の経営者からなる「資本家階級」と、現場で働く人々からなる「労働者階級」である。しかしその他に、2つの中間階級が存在する。1つは企業とは別に、独立自営の農業や商工業などを営む人々、もう1つは企業で働く専門職・管理職・事務職などの人々だ。
前者は、資本主義が発達する以前から存在した古い階級なので、「旧中間階級」と呼ばれる。これに対して後者は、企業規模の拡大に伴って新しく生まれた階級なので「新中間階級」と呼ばれる。
この4つの階級のうち、労働者階級はこれまで、まとまった1つの階級だとされてきた。ところが、今日では雇用形態の違いによって、その内部に大きな格差が生まれている。
上位に位置するのが「正規雇用の労働者階級」、下位が非正規雇用の「アンダークラス」である。アンダークラスの数は890万人で就業人口の13.9%を占めるが、平均年収はわずか216万円で、貧困率は37.2%にも達する。
このように労働者階級は2つに分裂し、事実上は別の階級になった。これが、新しい階級社会だ。
5つの階級から社会を見る
資本家階級、新中間階級、正規労働者階級、アンダークラス、旧中間階級という階級5分類を用いれば、現代日本の格差の構造をくっきり描ける。
経済的な格差から見れば、資本家階級を頂点、アンダークラスを最底辺とし、アンダークラスの上に正規労働者階級が、その上には新中間階級と旧中間階級という2つの中間階級が位置している。