新刊ビジネス書の要約『TOPPOINT(トップポイント)』
2021年9月号掲載
グーグルは、人間を操り人形にする ―― 。今日、生活に欠かせないデジタル機器は、あらゆる行動データを巨大IT企業にもたらす。そして、私たちの行動は監視され、操られてさえいる。これを「監視資本主義」と名付けた著者が、現状を説き、未来を見通した。ハーバード・ビジネススクール名誉教授の手になる世界的ベストセラー。
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都市化の進展やネットの普及は、生活を便利にした反面、人々から「共感する力」を高める機会を奪った。独居が増えて孤立が深まり、顔を合わせない人付き合いが増えたことが、その一因だ。分断や不寛容が広がる今日、相手を「思いやる力」を伸ばすことはできるのか。共感を研究する心理学者が、その成果をもとに解説する。
2021年8月号掲載
プログラムに忠実なAI(人工知能)が、人間を滅ぼしかねない ―― 。AIに対し、こうした懸念を抱く人たちを「合理主義者」という。AIが人間並みの知能を得た時、何が起こるのか。もし暴走したら、人間はそれを止められるのか。合理主義者への取材を基に、AIの「可能性」と「リスク」を徹底検証、私たちの未来を見通す。
2021年7月号掲載
デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する企業が増えている。だが、成功例は少ない。その主な原因は2つ。企業がDXの本質を理解していないこと、そしてDXを阻む“壁”を超えられないことだ。こうした壁を超え、DXを進めるにはどうすればいいのか。日本企業のDX支援に携わる著者が、その方法を指南する。
2021年6月号掲載
今、多くの企業にとってDXは最優先事項だ。世界がデジタル化で激変する中、変革は待ったなし。だが、その多くは失敗している。では、どうすれば成功させられるのか。本書は、そのために踏まえるべき5段階の「ロードマップ」を提供。各段階ですべきこと、リスクへの対処法などが示され、DXを成功に導く上で参考になる。
2021年5月号掲載
AI(人工知能)については、明暗、2つの見方がある。人々の仕事を奪う。いや、仕事の生産性を高め、バラ色の未来をもたらす。だが、どちらも「AIの全体像を捉えていない」とマイクロソフトCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)は指摘。AIの“正体”を明かし、人間とAIの能力を生かした、希望に満ちた未来を語る。
AIが正解を与えてくれる ―― 。就職や結婚をはじめ、意思決定をAIに任せる若者が増えている。社会が複雑になった今日、自分で考えるよりも確かで、失敗のリスクを減らせるからだ。今後も意思決定の外部化は進むだろう。では、その行き着く先は? 急速に進む社会のAI化について述べ、「考えを手放すこと」について考察する。
フェイスブックの個人データが選挙活動に悪用されるなど、近年、個人情報がリスクにさらされることが増えた。そんなリスクから情報を守り、個が尊重される社会をつくるには、権利としてのプライバシーを問い直すことが欠かせない。そう語る法学者が、プライバシーの本質を明らかにし、この権利を取り巻く法制度について論じる。
新型コロナを封じ込め、いち早く経済成長をプラスに転じさせた中国。その原動力となったのは、デジタル技術だ。かつては科学技術面で“遅れた国”と見られていた中国が、今やデジタル大国に。背景にあるのは、1978年の改革開放以来の国家戦略だ。デジタルエコノミーが専門の著者が、中国のデジタル強国戦略の全容を明かす。
戦争は、もはや戦場にとどまらない! SNSによるプロパガンダ、重要インフラへのサイバー攻撃など、様々な手段を組み合わせた「ハイブリッド戦争」の脅威が近年高まっている。低コストで効果大。この新たな戦争に、特に力を注ぐのがロシアだ。本書は同国に焦点を当て、その実態を解説。危機意識の薄い日本人に警鐘を鳴らす。
2021年4月号掲載
音声認識、自動翻訳、自動運転…。2000年代半ば以降、人工知能(AI)は急速に進歩し、研究開発に大金を投じる企業も多い。だが、これまでAIは、ブームになっては成果を生まず、というサイクルの繰り返し。今回の“AIの春”に際し、本書は、現況、見通し、道徳的な問題など、知っておきたいことを多面的かつやさしく説く。
2021年2月号掲載
著者は1981年、台北市生まれ。IQ180。新型コロナを早々に封じ込めた台湾で、デジタル担当の閣僚として、感染防止の中心的役割を担った。そんな“テクノロジー界の異才”の、世界初の自著だ。コロナ対策成功の秘密から、デジタル・AIが開く新たな社会像まで。トランスジェンダーである自身の生い立ちも交え、大いに語る。
2020年12月号掲載
副題は「あなたの感情を支配し行動を操るソーシャルメディア」。フェイスブックの膨大な個人情報を利用し、トランプ政権の誕生や英国のEU離脱を裏で操った組織、ケンブリッジ・アナリティカ。同社で一連の情報操作を担った元社員が、人々を洗脳し、世論を誘導する手口を明かす。ソーシャルメディアのリスクがわかる1冊だ。
2020年10月号掲載
今、世の中は、デジタルが隅々まで浸透した「アフターデジタル」社会へと突き進んでいる。あらゆることがオンライン化されれば、産業構造も大きく変わる。企業は、どう対応すべきか? アフターデジタルの概要や、デジタルトランスフォーメーションで陥りがちな罠等々を、この分野で先を行く中国企業の事例などを交え、解説する。
今、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。今後、我々はこのウイルスと共生し、従来とは異なる新しい日常を生きていかねばならない。本書は、そんな「ニューノーマル」におけるビジネスコンセプトと事業機会を、4つのキーワードを軸に解説。不可逆な変化の中で戦略をどう最適化していくか、そのヒントが示された1冊だ。
2020年9月号掲載
「GAFA」とは、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルのこと。各社の頭文字を取り、こう称される。今日、これら巨大IT企業(ビッグテック)は、経済や政治に、そして私たちの暮らしに、大きな影響を及ぼしている。その便利さの裏に潜む弊害とは? デジタル界の巨人たちの“闇”の部分に斬り込み、警鐘を鳴らす。
2020年8月号掲載
産業革命以来、モノを効率よく大量生産することで経済は成長してきた。だが、デジタル技術の進歩で、経済の構造は大きく転換しつつある。富の源泉が、モノからデータや知識など“無形資産”に移ったのだ。この大変化、「ネオ・エコノミー」における豊かさとは? リスクとは? 最新の事例を交え、新しい経済社会の姿に迫る。
2020年7月号掲載
AIがもたらす未来はユートピア? それともディストピア? IT業界で活躍する著者の見立ては、明るいものではない。今後、全世界の富は、AIの開発をリードする米中2国の巨大IT企業が吸い上げる。その一方、世界中で社会や雇用が不安定化し、格差が拡大。人間の存在意義をも揺るがす。そんなAI時代の世界秩序を提示する。
2020年5月号掲載
「国民国家・株式会社・中央銀行」。この3つが、現代の政治と経済の基本的な形だ。だが今、グローバリズムの広がりと経済活動のデジタル化により、3者のバランスが崩れ、社会を担う「中間層」が苦しみ、社会の亀裂が深まっている。悪循環に陥った資本主義が向かう先とは。現状と今後を、日銀出身の著者が詳しく読みとく。
2020年4月号掲載
不正に入手したSNS上の個人情報をAIで解析し、選挙キャンペーンに利用する。そんな信じがたいことが、2016年の米大統領選で行われたとの報道がある。AIによる世論の誘導が、トランプ大統領の誕生を後押ししたと指摘されているが、果たしてAIはどれほどの影響力を持つのか。NHK取材班が、世論操作の深層に迫る。
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