2021年6月号掲載

なぜ、DXは失敗するのか?

Original Title :WHY DIGITAL TRANSFORMATIONS FAIL:THE SURPRISING DISCIPLINES OF HOW TO TAKE OFF AND STAY AHEAD

企業戦略・戦略論組織・人事IT・インターネット
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著者紹介

概要

今、多くの企業にとってDXは最優先事項だ。世界がデジタル化で激変する中、変革は待ったなし。だが、その多くは失敗している。では、どうすれば成功させられるのか。本書は、そのために踏まえるべき5段階の「ロードマップ」を提供。各段階ですべきこと、リスクへの対処法などが示され、DXを成功に導く上で参考になる。

要約

産業革命をどう生き残るか

 今、世界中で、第4次産業革命がもたらす「デジタル技術による破壊的変化」が進行している。

 この脅威によって、「フォーチュン500」にランクインしている企業の半数が、今後10年間で入れ替わるだろうといわれている。また、今日の「S&P500社」の平均寿命は20年と、かつてないほど短くなっている。

 経営幹部らはこの産業革命を乗り越えようと、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいる。DXは企業にとって、デジタル技術を新しい製品、サービス、運用方法、ビジネスモデルの基盤にすることを意味する。

 しかし現実には、DXの70%は失敗する。なぜ、これほど失敗率が高いのか? その理由は、過去の産業革命を振り返れば見えてくる。

第2次産業革命における事例

 1800年代、馬と馬車は人々の移動手段であり、物品の輸送手段であった。1914年当時、米国には推定で4600の馬車メーカーが存在していた。しかしそれに続く11年間で、その数は150に減少した。電力や内燃機関によって推進された第2次産業革命(1800年代後半~第1次世界大戦)により、輸送業が激動の時代に突入したためだ。

 そんな中で、馬車の製造から自動車の製造へと移行することに成功した大手馬車メーカーが1つだけあった。スチュードベーカーだ。

 同社は1920年に馬車の生産を終了、その後、自動車事業に注力し、自動車時代への移行に成功した。しかし、1966年に破綻した。

 同社は自動車産業に参戦できたものの、その中で勝利を収めることはできなかった。なぜなら、顧客に対する価値提案を継続的に実現する、長期的な計画を持たなかったからだ。

 例えば、同社は工場の近代化に再投資する代わりに、株主に多額の配当金を支払った。一方、GMやフォードといった競合企業は、生産の効率化や販売価格の引き下げに積極的だったため、市場において優勢となっていった。

「変革の成功」と「成功の維持」

 産業革命の時代に、自社の変革を成功させることはもちろん必要だ。しかし、市場において継続的にリーダーとなるためには、さらに一歩踏み込む必要がある。持続可能なビジネスモデルを構築するのだ。新しいビジネスモデルを構築できなければ、変革は不完全なまま終わってしまう。

 真の変革をするためには、長期にわたって競合企業の先を行くための能力を構築しなければならない。たった一度の変革では、産業革命の時代に繰り返される混乱を乗り切ることはできないからだ。「変革の成功」と「成功の維持」を区別することが重要になる。

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