2021年12月号掲載

盾と矛 2030年大失業時代に備える「学び直し」の新常識

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著者紹介

概要

2030年までに1600万人が職を失う…。そんな大失業時代の到来が囁かれている。こうした時代をどう生き抜くか。カギは、知識やスキルのアップデート、つまり「学び直し」にある。自分を守る「盾」にも、攻めるための「矛」にもなる学び直し。その実践のためのヒントが、DXなど現在進行中の技術や社会変化を示しつつ語られる。

要約

「学び直し」に必須のAIとDX

 大学を卒業して就職し、その会社で定年まで頑張る。それが、これまでの日本人の典型的な「一所懸命モデル」だった。

 ところが、グローバル化が進展し、第四次産業革命の時代になると、一所懸命モデルは機能しづらくなる。新しい技術の開発、人々の価値観の変化の前に、学校で学んだ知識、社内教育で習得した知識・スキルの賞味期限が切れるからだ。

 グローバル競争に晒される企業は、業務遂行能力の低下した社員に高い給料を払い続けることはできない。年齢を問わず優秀な人により多く払わなければ、優秀な社員ほど辞めてしまう。

 第四次産業革命下では、採用時においてより専門性が問われるようになる。なぜなら、進化する技術が経営の業績・競争力を左右するからである。

 科学技術が急速に進歩する現代社会では、大学での学びが一生通用するわけではない。それではどうしたらよいか。答えは、必要な知識やスキルのアップデート、すなわち「学び直し(リカレント教育)」以外にない。

 そして学び直しを考えた時、まず必須になるのが「AI(人工知能)」と「DX(デジタルトランスフォーメーション)」である。

AIを理解するために知っておくべき技術

 現代の私たちが避けて通れないイノベーションが、AIだ。AIを理解するためには、次の3つの技術について知る必要がある。

・情報技術(IT:Information Technology)

 把握したデータを処理し、人間が利用できる形にする、というもの。

・機械学習(ML:Machine Learning)

・深層学習(DL:Deep Learning)

 AIの教育には人間の介入が必要になるが、DLの場合、人間の役割はかなり小さくなっている。最初のプログラムを書くのは人間だが、その後はソフトが状況を把握しながら作動し、その作動の結果を評価する。評価が良ければ反応ルールは変えないが、結果が不十分であれば、評価基準を利用して反応ルールを自分で変更していく。

 DLのわかりやすい例は「自立運転」である。運転手がかなり操作に関与する「自動運転」に比べ、自立運転は運転手に頼らない運転を指すので、難易度の次元が違う。だが、自立運転の技術は急速に進歩しており、事故の例はほぼない。

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