挑戦的な仕事に取り組むほど(ストレッチ)、仕事中の試行錯誤や仕事の後の振り返りから引き出される教訓の質は高くなり(リフレクション)、その結果として感じるやりがいや意義は大きくなります(エンジョイメント)。そして、仕事にやりがいや面白さを感じれば、より挑戦的な仕事に取り組もうという気持ちも強くなります(ストレッチ)。
解説
人は、経験を通して学ぶ。
しかし、同じことを経験しても、成長する人と成長しない人がいる。この違いはなぜ起こるのか。
それは、「経験から学ぶ力」の違いによる。この力は、1人1人の仕事に対する姿勢を源泉とするものである。
経験から学ぶ力には、「ストレッチ、リフレクション、エンジョイメント」という3要素がある。
ストレッチとは、問題意識を持って、挑戦的で新規性のある課題に取り組む姿勢のことである。
リフレクションとは、1日の終わりやプロジェクト終了後に成功や失敗を振り返って、教訓を引き出すとともに、仕事中も「問題の本質は何か」「この方法でよいのか」と試行錯誤すること。
エンジョイメントとは、仕事にやりがいや意義を見つける姿勢を指す。
この3要素は上掲の通り、互いにつながりあい、循環する。これらを自然な行動として身につけることができれば、経験から学ぶ力は高まる。
編集部のコメント
「優秀な社員を育てたい」
経営者やマネジャーがそう考えて研修制度を充実させても、思うような成果につながらないことは少なくありません。では、人はどのようにすれば成長するのでしょうか。
その答えを示してくれる本が、『職場が生きる人が育つ 「経験学習」入門』(松尾 睦 著/ダイヤモンド社 刊)です。本書は、経験学習研究の第一人者である松尾睦氏が、経験を通じて人が成長する仕組みをわかりやすく解説した1冊です。
本書で松尾氏が強調するのは、「経験を積めば自然に成長する」という考えは誤りだということです。重要なのは、「思い」と「つながり」を大切にしながら、「挑戦し、振り返り、楽しみながら」仕事をすること。そのような経験の積み重ねが、人を大きく成長させると松尾氏は説いています。
その具体的な方法について、本書では実例を交えつつ詳しく紹介しています。早く成長したいと焦っている若手社員はもちろん、伸び悩みを感じる中堅・ベテラン社員や、部下の指導に悩んでいるマネジャーにもおすすめしたいビジネス書です。
なお「TOPPOINTライブラリー」には、部下の「経験から学ぶ力」をリーダー・マネジャーが効果的に支援する指導法を解説した、『部下の強みを引き出す 経験学習リーダーシップ』(松尾 睦 著/ダイヤモンド社 刊)も収録しています。本書と併せて読むことで、経験学習を実践に生かすヒントが得られるでしょう。


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