「私たちは、すべてが自分のためだけにある、完全に自由になれる、小さな、人目から隠れた庵を確保しなければならない。そこでは本当の自由と本質的な退却と孤独とを達成できる」
――ミシェル・ド・モンテーニュ
解説
1人でいることの意義について、あらゆる哲学者が様々なことを語っている。
例えば、モンテーニュは上掲のように言う。すなわち、「1人」をしっかり体験するには、ふさわしい「場」や「空間」を見つけることが大切だと。他者と共有した時間の流れから一度退き、完全に1人になれる庵=場や空間を持つ。そうすることで初めて、私たちは本当の精神の自由を手にできるのである。
また、セーレン・キルケゴールは、次のような生き方を提唱する。
自分が自分の人生の主になって生きる。自分の信念に従って、これのためなら命を捧げても構わないと思えるような使命を選び取って、自分の全存在をかけて生きる ―― 。
彼はこの思想の基本概念を、「単独者」と呼ぶ。
では、単独者として生きるための条件は何か。
それは、他人が認めるかどうかにかかわらず、「揺るがない自己価値観」を持って生きることだ。これは、人から拒絶されても構わないと思える心の余裕、精神の自由を持っていないとできない。




