〈 思考の三原則 〉

 第一は、目先にとらわれず、長い目で見る。
 第二は、物事の一面だけを見ないで、できるだけ多面的・全面的に観察する。
 第三は、枝葉末節にこだわることなく、根本的に考察する。

解説

 東洋思想の大家、安岡正篤氏は言う。
 現代社会は多忙である。人間、忙しいとしみじみ話を聞くこともできない。それどころか、自分の大事な「心」まで失ってしまう。それは、いそがしいという「忙」の字が「忄(りっしん)」偏に「亡」と書くことから見ても、よくわかる、と。
 江戸時代、幕府の大学総長の職に長くあった佐藤一斎は、著書『重職心得箇条』の中で「重役たる者は忙しいということを口にしてはいけない」と言っている。
 つまり、忙しいと、文字通り心が亡して、大事なものが抜けてしまうからである。大事なものを失うようでは、重役としての務めは果たせない。
 では、大事なものを失わないためにはどうすればよいのか。
 上記の言葉は、それを失わないための、あるいは忘れているものを思い出すための原則を述べたものである。
 とかく人間というものは、手っ取り早く安易に、ということが先に立つ。
 そのために、目先にとらわれたり、一面からしか判断しなかったり、枝葉末節にこだわったりして、物事の本質を見失いがちになる。
 これでは、本当の結論は出てこない。
 物事というものは、大きな問題、困難な問題ほど、やはり長い目で、多面的に、根本的に見てゆくことが大事である。ことに人の上に立つ人ほど、これを心得なければならない。

人物を修める 東洋思想十講

人物を修める 東洋思想十講

著者 安岡正篤 
出版社 致知出版社
発行日 1986年6月17日
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