リーダーをめざしたい、よき上司になりたい……。そんな思いを持つあなたにまずは知ってもらいたいこと。それは、「サラリーマン」と「ビジネスマン」は違うということだ。

解説

 複数の外資系企業で社長を務めた新将命氏は、リーダーを目指す人に上掲のように説く。
 ここでいうサラリーマンとは、会社に仕事をしにいく人のこと。何時から何時までと、決められた時間に仕事をする。一方、ビジネスマンとは、会社に「結果」を出しにいく人のことである。働く時間は関係ない。ビジネスの世界では、いくら長時間働いたところで結果が出せない人には価値がない、ということを認識しておくべきだ。
 経営学者、ピーター・F・ドラッカーも言っている。「報酬は貢献に対して与えられるべきである。単なる努力は賞賛の的にすぎない」と。
 そもそも会社は、評論や努力で伸びるのではなく、結果の継続的な累積によって伸びるものだ。会社が求める人材とはすなわち、結果が出せる人である。自分の仕事に関して「所期の目標」を達成し、結果が出せる。こういう“結果人間”だけが、会社にとって重要なのだ。
 ところが驚くべきことに、日本の会社にはその所期の目標すら決められていないところもある。これでは結果の出しようがない。だからなのか、結果的に「サラリーマン」が多くなってしまった ―― 。新氏はそう指摘する。

編集部のコメント

 新将命氏(あたらし・まさみ、1936~2022年)は、シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなど、グローバル企業6社で社長・経営職を歴任した人物です。国内でも、RIZAPグループ取締役や住友商事アドバイザリー・ボード・メンバーを務めるなど、多くの企業で経営に携わってきました。

 その新氏が、自身の思いや経験をまとめたのが、『伝説の外資トップが説く リーダーの教科書』です。この本では、リーダーを目指す人から、すでに組織を率いる立場にある人までを対象に、リーダーとしての基本姿勢や考え方、成果を生み出すための実践論がわかりやすく語られています。

 本書第1章の冒頭で取り上げられているのが、上掲の内容です。
 会社が求める人材とは、仕事で「結果」の出せる人である。だから、会社に通うだけの「サラリーマン」ではなく、結果を生み出す「ビジネスマン」を目指せ ―― 。新氏はそう説きます。

 この他にも本書では、長年にわたり国内外の企業の第一線で培ってきた経験をもとに、優れたリーダーに求められる能力、部下との関わり方、「運」の重要性などについて、具体的に語っています。
 現在そして未来のリーダーにとって、まさに“教科書”といえる1冊です。まだお読みでない方には、一読をお勧めします。

2011年3月号掲載

伝説の外資トップが説く リーダーの教科書

著者の新将命氏は、ジョンソン・エンド・ジョンソンをはじめ複数の外資系企業で社長を務めた人物。本書は、この“伝説の外資トップ”によるリーダー論である。豊富な体験を下敷きに語られる、リーダーの心得、磨くべきスキル等の話は、多くの気づきを読む者に与えてくれる。現在そして未来のリーダーにとって、まさに教科書といえる書である。

著 者:新 将命 出版社:ダイヤモンド社 発行日:2013年4月
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