2025.03.03

 私は、休日についても、有益な時間にするためのスケジューリング法を活用しています。
 それは、土日の2日間を「午前」「午後」「夜」の時間帯で3コマに分けて、全部で6コマの時間帯管理をするというものです。

解説

 著者の田中和彦氏は、この考え方を「土日の6コマ時間割り」と呼ぶ。これを活用すれば、土日の使い方が劇的に変わる。
 例えば、土曜の午前中の使い方。たいていの人は1週間の疲れから、ゆっくり寝るか、何もせずにボーっと過ごすことが多い。しかし、6コマ時間割りの最初のコマだと思えば、残りの5コマを有効に使うために、ここで頑張ろうという気持ちになる。そして、土日にやらねばならない雑事などは、この時間帯ですませるようになるのだ。
 「土日の6コマ時間割り」にすると、なぜか土日にやれることが増える。同じ48時間なのに、時間が増えた感覚になる。時間割りを考えない土日は単に2日という発想でしかないが、6コマに分割すると、コマという枠があるので、そこに何かを当てはめようとする力が働くのだろう。
 田中氏は、この6コマのうちのどこかを、自分の未来のための時間と位置づけ、夢の実現のために使おう、と提案する。未来を充実したものにするには、密度の濃い時間を手に入れる意識と行動が必要である。土日の6コマ時間割りは、そのための時間術の1つなのだ。

編集部のコメント

 「課長」は大変な役職です。経営側からは売上の拡大や経費の節約などを求められる一方で、部下のワークライフバランスやメンタルヘルスなどにも配慮する必要があります。その上、プレイングマネジャーとして、個人としての成果も会社からは期待されています。
 当然、仕事は多忙を極めるでしょう。その中で、どうすれば生産性を高めることができるのでしょうか? 言い換えれば、「できる課長」になるには何をすればいいのでしょうか?

 『課長の時間術』は、課長の立場にある人に焦点を当てて書かれた、時間術の良書です。著者の田中和彦氏は、かつてリクルート社で管理職を務めた人物です。本書では、4つの情報誌の編集長を兼務するなど、田中氏が多忙な日々を送る中で会得した“時間を自らひねり出す”ための60のコツを明かしています。
 冒頭の「土日の6コマ時間割」をはじめ、「スケジュールは15分単位で刻む」「やることを決める前に、やらないことを決める」等々。上司や部下に振り回されることなく、自分の、そしてチームの成果を増やすことができる具体的なノウハウが満載です。

 本書の扉には、イギリスの文学者サミュエル・ジョンソンの言葉が引用されています。
 「短い人生は時間の浪費によっていっそう短くなる」
 人生や仕事を充実したものとするには、時間の「質」を意識的に高める必要があるでしょう。

 『課長の時間術』は、時間の「質」を変える上で、大いに参考になる1冊です。課長の立場にある人はもちろんですが、これから課長になっていく若手・中堅社員にもおすすめします。

2011年8月号掲載

課長の時間術

かつてリクルート社で管理職を務めた人物による時間術の書。4つの情報誌の編集長を兼務するなど、多忙な日々を送る中で会得した、“時間を自らひねり出す”ための60のコツを明かす。「スケジュールは15分単位で刻む」「やることを決める前に、やらないことを決める」…。紹介されるその時間術は、多忙な組織のリーダーにとって、大いに参考になるだろう。

著 者:田中和彦 出版社:日本実業出版社 発行日:2011年6月
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