カエルを二匹取ってきて、一匹を水を入れた鍋に入れる。その鍋を徐々に温める。温度の変化が少しずつであるので、カエルは何の不安も持たずに心地よく鍋の中にうずくまっている。カエルはいつでも逃げ出そうと思えば逃げ出せるのに、温度が上がっていっても何の意識も持たず、そして高温になっても気づかず、やがて沸騰した湯の中でゆで上がって、最後は死んでしまう。
今度は、もう一匹のカエルを持ってきて、その沸騰した湯の中へ入れる。当然カエルはびっくりして、必死で鍋から飛び出す。そのカエルは火傷をするかもしれないが、死なずにすむ。すなわち、前者は変化に気づかずに死に、後者は反射的に変化を察知して生き残る。
解説
このように、少しずつ上昇する温度の変化に気づかないカエルがゆで上がってしまう現象を「ゆでガエル現象」という。社会では、こうした現象を頻繁に目にする。そしてその大半が、大きな社会的問題や経営・政治の問題に発展している。
我々も変化に対する感度を落としていると、早晩ゆでガエルになる。そうならないよう、変化に対応していかなければならない。
ゆでガエル現象に陥っているかどうかを見極めるチェックポイントは、次の通りである。
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- ①上から降りてくる仕事をこなしている
- ②変化もなく、平凡で心地良い状態である
- ③興奮することもなく、新たに大きな挑戦もない
- ④熱中することも少ない
- ⑤人生に対する特に大きな目標もない
これらに当てはまるなら、変化に対する感度が落ちる「マンネリ化」の状態だ。熱湯をかぶって、目を覚まさなければならない。
編集部のコメント
本書『「ゆでガエル現象」への警鐘』は、上掲のような「ゆでガエル現象」に陥らず、感性を磨き、変化に対応できるようになるための方法を説いた1冊です。
ビジネスにおいて、ピンチやチャンスの時には多くの「変化」が生まれます。
こうした変化は、普段から感度や感性を研ぎ澄ませている人にとっては、力を発揮する絶好の機会となるでしょう。一方、日々同じような仕事を繰り返すだけの人は、感性が鈍り、変化に対応することができません。
では、マンネリ化を防ぐには、どうすればいいのでしょうか。
変化への素早い対応が重要なマーケティングの世界で長年活躍してきた著者は、「マーケティングの感性」を身につけることを説きます。
著者によれば、マーケティングの感性はマーケターだけに必要とされるものではありません。営業や研究開発、経理、人事、総務…。会社に関わるあらゆる人がこの感性を持っていない限り、先に待っているのは「ゆでガエル現象」だといいます。また、全員がマーケティング精神を持つ企業風土が、1つの競合差別化戦略になる、とも述べています。
マーケティングとはそもそもどういうものか、マーケティングする人材とはどのような人なのか、等々。マーケティングを様々な観点から多岐にわたって問い直した本書は、変化の激しい時代において、ビジネスや人生をより良いものに変えていくためのヒントを与えてくれます。




