人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
解説
稲盛和夫氏は、上記の「人生の方程式」の値を最大にするよう、日々懸命に仕事に取り組んできた、と語っている。
氏によれば、この方程式は「能力」「熱意」「考え方」という3つの要素から成り立っている。
能力を点数で表せば、個人差があるから、0点から100点まである。熱意も、やはり0点から100点まである。
考え方とは、その人の思想、哲学、理念などを総称したものである。この考え方こそが最も大事な要素であり、方程式の結果を大きく左右する。
なぜなら、能力や熱意が0点から100点までなのに対し、考え方には悪い考え方から良い考え方まで、マイナス100点からプラス100点までの大きな振れ幅があるからだ。
能力も熱意も、高ければ高いほどいい。しかしそれ以上に、自分の考え方がプラスなのか、それともマイナスなのか。さらに、その数値は高いのか、低いのかということが、人生や仕事の結果を大きく左右するポイントになる。
どんなに才能があろうとも、どんなに熱心に仕事をしようとも、この「考え方」が間違っていたのでは、マイナスを掛けることになる。すなわち、人生の結果は決してよいものとはならない。
編集部のコメント
稲盛和夫氏は、言わずと知れた日本を代表する経営者です。
京都セラミック株式会社(現・京セラ)や第二電電(現・KDDI)を設立し、いずれも大企業に育て上げた他、2010年に経営破綻した日本航空(JAL)の会長に就任すると、わずか2年で再建を果たしました。
この他、1984年には、「人のため、世のために尽す」という人生観を具現化するため、稲盛財団を設立。「科学や文明の発展と人類の精神的深化のバランスをとりながら、未来の進歩に貢献したい」という願いを込めて、科学技術や思想・芸術の分野に大きく貢献した方々に贈られる「京都賞」を創設しました。また、「盛和塾」の塾長として、後進の育成にも心血を注いできました。
2022年に逝去した稲盛氏は、数多くの著書を遺しています。広く知られるところでは『アメーバ経営 ひとりひとりの社員が主役』『生き方 人間として一番大切なこと』『働き方 「なぜ働くのか」「いかに働くのか」』などがあります。本書『考え方 人生・仕事の結果が変わる』は、上掲した「人生の方程式」の中で、氏が最も重要と言う「考え方」について詳述したものです。素晴らしい人生を送るために持つべき考え方、人間として正しいことを正しいままに貫くことの大切さなどについて、自身の体験を交えながら語っています。
もともとは若年層を中心ターゲットとして企画されたそうですが、混迷を深める現代社会にあって、刊行以来、悩める多くのビジネスリーダーの「羅針盤」となっています。
ちなみに『TOPPOINT』では2017年5月号で本書を紹介。同年上半期の「TOPPOINT大賞」では大賞を受賞しています。
本書で説かれる稲盛氏の「考え方」は、年齢、役職問わず参考になるものばかり。人生の目的に迷う時、生き方に悩む時などの支えになってくれることでしょう。




