ミレニアル世代は、仕事よりも生活を楽しもうとする傾向が強いとされる。お金も大事だが、自分の好きなことをするのを何よりも大事にする。新しい働き方、独立性、柔軟性、選択の幅、会社の官僚的な環境からの自由が重視される。(中略)彼らの90%が1つの仕事に3年以上とどまるつもりはないと考えているというのも、驚くにはあたらない。

解説

 近年、広がりを見せる新しい仕事の形態に、「ギグ・エコノミー」がある。
 ギグとは、期間が不確かな臨時の仕事のこと。ギグ・エコノミーとは、フリーランサーや独立コンサルタント、個人事業主といったギグ・ワーカーや、この種のインディペンデント・ワーク(独立した仕事)を支えるビジネスの仕組みをいう。
 そして現在、ギグ・エコノミーの労働力として急速に増えているのが、1980~90年代に生まれたミレニアル世代である。2016年の調査では、ミレニアル世代がインディペンデント・ワーカーの40%を占めた。
 また、2015年の調査では、約2000万人のインディペンデント・ワーカーのうち90%以上が、自由度や柔軟性を重んじて「インディペンデント・ワーカーを選択した」という。こうした人々は、ライフスタイルに対する満足度が高い。インディペンデント・ワーカーの80%が、「独立して働く生活で幸福感が高まった」と答えている。

編集部のコメント

 ウーバーのドライバーやフリーランスのプログラマー、独立コンサルタント、等々。分野を問わず、期間が不確かな仕事のことを「ギグ」といいます。そして、この種のインディペンデント・ワーク(独立した仕事)を支える仕組みが、「ギグ・エコノミー」です。
 この新しいビジネスモデルの全体像を紹介するのが、『ギグ・エコノミー襲来 新しい市場・人材・ビジネスモデル』です。本書では、ギグ・エコノミーの定義から、現在の状況、そして企業と労働者にどのような未来が待っているのかまで、わかりやすく解説しています。

 著者のマリオン・マクガバン氏は、ギグ・エコノミーの専門家です。これまでデジタル人材プラットフォームの立ち上げ、デジタル時代のパーソナルブランディングなどに携わってきました。
 「はじめに」によれば、マクガバン氏はこの本を執筆するにあたり、多くの業界関係者から話を聞くとともに、自らもギグ・エコノミーの一員となって働いたといいます。また、顧客としてもギグ・エコノミーを利用して、仕事を委託しています。こうした深い下調べに基づいた本書には、ギグ・エコノミーを活用するための実用的なアイデアがふんだんに盛り込まれています。

 働き手のみならず顧客企業、そして人材サービス会社まで。ギグ・エコノミーに参加するそれぞれの主体が、この新たな市場でどうすれば成功を収められるのか? この問いへのヒントを与えてくれる本書は、日本でも広がりつつあるギグ・エコノミーの参考書として、一読の価値があるでしょう。

2019年2月号掲載

ギグ・エコノミー襲来 新しい市場・人材・ビジネスモデル

“ギグ・エコノミー”とは、「期間が不確かな臨時の仕事=ギグ」を支えるビジネスの仕組みのこと。米国では今、約4000万人がギグを行い、総額1兆1000万ドル超を稼いでいるという。本書は、この新しいビジネスモデルの全体像を描くもの。ギグ・エコノミーの定義から、現状、企業と労働者にとっての未来までをわかりやすく説く。

著 者:マリオン・マクガバン 出版社:CCCメディアハウス 発行日:2018年11月

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