企業の目的の定義は1つしかない。それは、顧客を創造することである。

解説

 「企業とは何か?」。それを決めるのは、顧客である。なぜなら、顧客だけが製品やサービスに対してお金を支払う意志を持ち、製品やサービスを財貨に変えるからだ。
 しかも、顧客が価値を認め購入するものは、製品やサービスそのものではない。製品やサービスが提供するもの、すなわち効用である。
 この顧客を創造することこそが、企業の目的である。従って、企業は2つの基本的な機能を持つ。それが、「マーケティング」と「イノベーション」である。
 第1の機能であるマーケティングをきちんと行う企業は少ない。多くの企業が行っているマーケティングは、販売に関係する全職能の遂行を意味するに過ぎない。それはマーケティングではなく、販売である。
 これに対し、真のマーケティングは顧客からスタートする。すなわち、「我々は何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」を問う。「我々の製品やサービスにできることはこれである」ではなく、「顧客が価値ありとし、必要とし、求めている満足がこれである」と言う。
 実のところ、販売とマーケティングは逆である。
 マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すのは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。
 そして、第2の機能であるイノベーションとは、新しい満足を生み出すことである。
 単に製品とサービスを供給するだけでなく、より良く、より経済的な製品とサービスを供給しなければならない。
 イノベーションの結果もたらされるものは、より良い製品、より多くの便利さ、より大きな欲求の満足である。

マネジメント【エッセンシャル版】

マネジメント【エッセンシャル版】

著者 P・F・ドラッカー、上田惇生(編訳)
出版社 ダイヤモンド社
発行日 2001年12月13日
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