テレビでアメリカの法廷ドラマを観たことがある方なら、証人が証言台に立つときに求められる宣誓をご存じだろう。それは「真実を述べること、真実をすべて述べること、真実だけを述べることを神かけて厳粛に誓いますか?」というものだ。けれども、たった20語の英単語からなるこの宣誓文がいかに優れたものであるかについては考えてみたことがないかもしれない。その優秀さは、必要なことをすべて網羅している点にある。
解説
噓には3種類ある。「ストレートな噓」「省略による噓」「影響を与えて隠す噓」。上掲の宣誓文は、この3種類の噓をすべてカバーしている。
宣誓文の「真実を述べること」は、「ストレートな噓」をカバーする。これは、単なる厚かましい噓のことである。例えば2009 年、サウスカロライナ州の知事が5日間行方不明になった。その後、姿を現した知事は山をハイキングしていたと釈明したが、実際にはアルゼンチンに行って愛人と会っていた。この噓は、ストレートな噓だ。
宣誓文の「真実をすべて述べること」は、「省略による噓」をカバーする。この場合の噓とは、その人が「言わなかったこと」だ。例えば、知事は公用でアルゼンチンに行っていたとする。彼が公用で出かけたと言い、愛人との“私用”には触れなかったなら、それは省略による噓だ。
宣誓文の「真実だけを述べること」は、「影響を与えて隠す噓」をカバーする。例えば、「愛人がいるのでは」と問われて、知事がこう言ったとする。「私は20年もの間、幸せな結婚生活を送っています」。この場合の欺瞞とは、問題と関係ない真実の情報を伝えることではなく、自分に対する相手の印象に影響を与えようとする行為にある。
以上、3つの要素が噓の根底には存在する。
編集部のコメント
人はどのように嘘をつくのでしょうか?
「会社の業績は今後も安泰だ」と語る上司、「宿題はちゃんとやった」と言い張る子ども。
私たちは日々、様々な言葉を耳にします。しかし、その言葉が真実なのかどうかを正確に見極めるのは簡単ではありません。巧みな説明や、もっともらしい言い回しに惑わされることも少なくないでしょう。
真実と嘘を判別するには、どうすればよいのでしょうか。
『交渉に使える CIA流 噓を見抜くテクニック』は、CIAの元ベテラン尋問官と元敏腕スパイが長年磨き上げてきた「嘘を見抜く技術」を伝授する1冊です。
その基本的なルールは驚くほどシンプル。相手に質問を投げかけた後、5秒以内に最初の欺瞞行動(嘘の可能性を示す行動)が現れ、さらに次の質問までの間に、別の欺瞞行動が現れたら、「問題あり」とみなして、さらにその分野を掘り下げる、というものです。
本書では様々な実例を通して、この欺瞞行動の特徴や見つけ方を解説しています。
興味深いのは、このテクニックの有効性がスパイ摘発や企業の不正発見にとどまらない点です。子どもが本当に宿題をやったのか、担当者の説明は正しいのか、さらには政治家が嘘をついているのか ―― 。こうしたことについても、高い精度で真偽を見極められるといいます。
交渉やマネジメントの現場で、相手の言葉の裏にある本音や事実を見極めたい方におすすめしたいビジネス書です。




