〈「SCAMPER」発想法〉
- S=Substitute(代用品はないか?)
- C=Combine(結びつけられないか?)
- A=Adapt(応用することはできるか?)
- M=Modify or Magnify(修正、あるいは拡大できないか?)
- P=Put to other uses(他の用途はないか?)
- E=Eliminate or minify(削除するか、削減することはできないか?)
- R=Reverse or Rearrange(逆にするか、再編成できないか?)
解説
「SCAMPER(スキャンパー)」は、アイデアを生み出す「質問のチェックリスト」だ。質問のうち、いくつかは創造性の第一人者、アレックス・オズボーンによって提案され、その後ボブ・イバールが上掲のような頭文字に並べ換えた。
「SCAMPER」発想法では、アイデアを必要とする課題にあらゆる角度から上掲の質問を浴びせ、新しいアイデアが生まれるかを考えてみる。
あるクリップ製造会社は、製品の改良を目指してこのSCAMPERの質問をした。その結果、素材を金属からプラスチックに「代用」し、色を「拡大」することで、色とりどりのプラスチック製クリップを生み出した。
こうして既成の事物に「手を入れる」ことも、1つの創造性である。
編集部のコメント
『アイデア・バイブル 創造性を解き放つ38の発想法』は、創造性開発の第一人者であるマイケル・マハルコ氏が、自著『アイデアのおもちゃ箱』を大幅に見直してまとめた、アイデア発想法の名著です。
前提条件を逆転させてアイデアを生み出す「前提逆転」発想法や、課題が抱える様々な属性に焦点を当てる「属性列挙」発想法など、発想力を強化するための38の手法が紹介されています。
その中でも代表格といえるが、上掲の「SCAMPER」発想法です。
例えば、商品の素材を金属からプラスチックに「代用」したり、色を「拡大」してカラーバリエーションを豊かにしたりと、既存のものに意図的な変化を加えて新しいアイデアへと作り替える手法です。想像力が湧かない時でも、この手順に沿って考えるだけで、ワンパターンなアイデアの壁を突破できる強力なツールとなります。
さらに本書には、“取扱説明書”が付いています。若い頃にこの本を使い倒したという、ベストセラー『考具』の著者・加藤昌治氏が、読者のナビゲーターとして『アイデア・バイブル』の実践的な使い方を指南しています。
例えば、「SCAMPER」の項目を手帳やスマホに写しておく、「前提逆転」の基本手順をコピーして持ち歩く ―― といった具合に、忙しいビジネスパーソンにも取り入れやすい活用術が提示されています。
企画立案に携わる人、新規事業を構想する人、起業を考える人、そして発想力を鍛えたいすべての人にとって、この本は心強い“アイデアのバイブル”となるはずです。まだお読みでない方には、ぜひ一度手に取っていただきたい1冊です。




