企業は広告の採用を決める前に、次のように自問すべきだ。
同じ金額をより良い製品づくりやサービスの向上、ブランド経験の強化に振り向けたとき以上に、広告によって満足した顧客を生み出すことができるだろうか、と。
解説
広告の目的は、製品についての事実を伝えることではなく、「ソリューション」や「夢」を売ることである。すなわち、「顧客の願望」に向けて発し、その結果、「売上に結びつく」のが最高の広告である。
「我々は工場で口紅を作り、広告で夢を売っている」 ―― 化粧品メーカー、レブロンの創業者チャールズ・レブソンのこの言葉を、ぜひ胸に刻んでおくべきだ。
しかし、単に夢の実現を唱えても、消費者の信用は得られず、購買にはつながらない。そうなると、広告は資金の無駄遣いになってしまう。
上掲の言葉は、このことを踏まえたものである。企業は、高額な広告キャンペーンに資金をつぎ込むよりも、どこにも負けない製品を作るために、今以上の資金と時間を投じるべきなのだ。なぜなら、最も効果的な広告は、「満足した顧客」によってなされるからだ。
満足した顧客は、広告など行わなくても再び買ってくれる。そして、企業に代わって広告活動を行ってくれるのである。