2020年5月号掲載

グローバル・グリーン・ニューディール

地球温暖化が進む今日、“化石燃料文明”からの脱却はもはや待ったなし。地球上の生命を救うカギは、「グリーン・ニューディール」だと言う。社会の脱炭素化、スマートでデジタル化されたインフラの整備…。かつての米国のニューディール並みの経済政策の大転換を、『限界費用ゼロ社会』の著者ジェレミー・リフキンが提言する。

著 者:ジェレミー・リフキン 出版社:NHK出版 発行日:2020年2月

2020年5月号掲載

国家・企業・通貨

「国民国家・株式会社・中央銀行」。この3つが、現代の政治と経済の基本的な形だ。だが今、グローバリズムの広がりと経済活動のデジタル化により、3者のバランスが崩れ、社会を担う「中間層」が苦しみ、社会の亀裂が深まっている。悪循環に陥った資本主義が向かう先とは。現状と今後を、日銀出身の著者が詳しく読みとく。

著 者:岩村 充 出版社:新潮社(新潮選書) 発行日:2020年2月

2020年5月号掲載

タルピオット

近年、“起業国家”として世界の注目を集め、豊富なハイテク人材を輩出しているイスラエル。同国の躍進を支えているのが、スタートアップを取り巻く独自のエコシステム(生態系)だ。その中核を成す、国防軍のテクノロジーリーダー育成プログラム「タルピオット」に焦点を当て、イノベーションが生まれる秘密に迫る。

著 者:石倉洋子、ナアマ・ルベンチック、トメル・シュスマン(監修) 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2020年3月

2020年5月号掲載

ウイルスの意味論

ウイルスの生と死は、独特だ。天然痘やインフルエンザなど、たびたび世界的流行を引き起こしたが、細胞外では活動せず、感染力を失ってすぐ死ぬ。また近年、3万年以上も冬眠していたウイルスが、再び増殖し始めたという。本書は、単なる病原体ではなく、生命体としての視点から、ウイルスの驚くほど多様な生態を紹介する。

著 者:山内一也 出版社:みすず書房 発行日:2018年12月

2020年4月号掲載

AIvs.民主主義

不正に入手したSNS上の個人情報をAIで解析し、選挙キャンペーンに利用する。そんな信じがたいことが、2016年の米大統領選で行われたとの報道がある。AIによる世論の誘導が、トランプ大統領の誕生を後押ししたと指摘されているが、果たしてAIはどれほどの影響力を持つのか。NHK取材班が、世論操作の深層に迫る。

著 者:NHK取材班 出版社:NHK出版(NHK出版新書) 発行日:2020年2月

2020年4月号掲載

無形資産が経済を支配する

ソフトウェアやノウハウなど、物理的なモノではない資産を「無形資産」という。これが近年、先進国で増えており、一部の国では、土地・建物などの有形資産をしのぐほど。その台頭は「ちょっとした変化ではすまない」という著者たちが、無形資産の全貌を分析した。有形資産とは違う特徴や、生産性や格差に及ぼす影響などを説く。

著 者:ジョナサン・ハスケル、スティアン・ウェストレイク 出版社:東洋経済新報社 発行日:2020年1月

2020年4月号掲載

フラット化する世界〔普及版〕(上・中・下)

1989年、東西を分かつベルリンの壁が崩壊し、人や情報の往来が自由になる。そして、SNSやブログなど通信手段の発達は、遠くへ、速く、深く、手を広げる力を個人に与え、世界は“平ら”になった ―― 。今、猛スピードで進む新しい段階のグローバル化と人間の未来を、ピュリツァー賞を3度受賞したジャーナリストが見通す。

著 者:トーマス・フリードマン 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2010年7月

2020年3月号掲載

スティグリッツ PROGRESSIVE CAPITALISM

万人を豊かにする“進歩的資本主義”を説いた書。著者は、ノーベル経済学賞受賞者で、世界銀行のチーフエコノミストを務めた経済学者だ。アダム・スミスの言う「見えざる手」が機能していない市場原理主義の現状を明らかにし、誰もが中流の暮らしをするために、政府がなすべきことを提言。正しい資本主義のあり方を示す。

著 者:ジョセフ・E・スティグリッツ 出版社:東洋経済新報社 発行日:2020年1月

2020年3月号掲載

リベラリズムの終わり

米国のトランプ現象に見られるように、近年、「リベラリズム」に対する風当たりが強い。個人の自由の尊重、弱者救済といった主張が、なぜ嫌われるのか? 気鋭の哲学者が、リベラリズムを適用できない現代社会の実情、思想的限界を考察する。フェアネス(公平さ、公正さ)という、この思想の最良の部分を活かすために ―― 。

著 者:萱野稔人 出版社:幻冬舎(幻冬舎新書) 発行日:2019年11月

2020年2月号掲載

AFTER SHARP POWER 米中新冷戦の幕開け

「シャープパワー」。これは、情報の歪曲や世論操作などの強引な手段を使い、相手国に自国の方針をのませようとするもの。中国は主に米国で用いてきたが、近年、米国では警戒感が増し、排除の動きが進む。米中新冷戦の要因とされる、この新たなパワーはいかなるものか、詳しく説くとともに、日本が学ぶべき教訓についても記す。

著 者:小原凡司、桒原響子 出版社:東洋経済新報社 発行日:2019年12月

2020年2月号掲載

国際社会を支配する地政学の思考法

地政学は、国の地理的位置や歴史と、政治現象との関係を研究する学問だ。だがグローバル時代の今日、「地球全体」を視野に入れる必要がある。そんな現代の地政学、そして“地政学的戦略”を説いた書。歴史上の出来事や最新の世界情勢を引きつつ、権力者が用いる様々な戦略を語る。著者は、元欧州合同軍防諜・治安部隊長官。

著 者:ペドロ・バーニョス 出版社:講談社 発行日:2019年12月

2020年2月号掲載

7つの階級

これまで社会階級は、上流・中流・労働者の3つに分けられていた。だが、今はそう単純ではない。エリートと貧困層の間には、複雑で曖昧な中流層が存在する。本書は、「経済資本・文化資本・社会関係資本」の3つの所有の面から英国社会を分析、7階級の存在を明らかにした。格差について考える上で新たな視点をもたらす1冊だ。

著 者:マイク・サヴィジ 出版社:東洋経済新報社 発行日:2019年12月

2020年1月号掲載

危機と人類〔上〕〔下〕

著者は、『銃・病原菌・鉄』で知られるジャレド・ダイアモンド氏。本書では、国家的危機への対処法を、個人的危機の解決法というレンズを通して考察。近現代の国家の危機を事例に、劇的変化を乗り越えるための道筋を示す。国も人も、全く違うものへは変われない。危機に際しては、何を変え、残すか、「選択」が大事だという。

著 者:ジャレド・ダイアモンド 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2019年10月

2020年1月号掲載

米中貿易戦争の裏側

トランプ vs. 習近平 ―― 。ニュースでは決して報じられない米中対立の真実を、中国研究の第一人者が明かす。トランプがファーウェイの禁輸制裁緩和に傾いた理由や、中国「一帯一路」構想に隠された“中華の知恵”。激しさを増す覇権争い、変動する東アジアの行方を見通し、二極化が進む世界で日本はどうすべきかを考察する。

著 者:遠藤 誉 出版社:毎日新聞出版 発行日:2019年11月

2020年1月号掲載

日本はすでに侵略されている

1995年、中国の李鵬首相は言った。「日本という国は、40年後にはなくなってしまうかもしれない」。そして今、全国の離島、自然が残る観光地などを、中国人らが買いあさっている。対する日本は、何の対策もなし。わが国は、将来、彼らのリゾート地と化すのか? 外資による「静かなる侵略」の最新動向をレポートし、警鐘を鳴らす。

著 者:平野秀樹 出版社:新潮社(新潮新書) 発行日:2019年11月

2020年1月号掲載

経済成長という呪い

産業革命後、人々は物質的な豊かさを求め、経済成長を信奉するようになった。地球環境の危機が叫ばれる今も、富の追求がやむことはない。人は、無限の欲望という“呪い”から逃れられないのだろうか? フランスを代表する経済学者・思想家が、経済成長と人間の欲望を読み解く。現代資本主義に対する警鐘と提言の書。

著 者:ダニエル・コーエン 出版社:東洋経済新報社 発行日:2017年9月

2019年12月号掲載

超約 ヨーロッパの歴史

今、ブレグジットや移民問題で揺れるヨーロッパ。その文明の本質を知り、グローバルな教養を身につけるための「最も短い欧州史」だ。ヨーロッパ文明を大胆に、「古代ギリシャ・ローマ文化」「キリスト教」「ゲルマン戦士」に絞り込んで考察。これら3つの要素が“絆”を結ぶことで、独特なヨーロッパ文明が形成されたと語る。

著 者:ジョン・ハースト、福井憲彦(監修) 出版社:東京書籍 発行日:2019年4月

2019年9月号掲載

大分断

アメリカといえば、イノベーションの国。そんなイメージが強いが、最近は様相が違う。リスクを嫌い、現状維持を求め、イノベーションに興味のない人が増えているのだ。経済学者である著者は、彼らを「現状満足階級」と命名。その台頭が、所得や教育、社会階層など、様々な面で“分断”を拡大させている、と警鐘を鳴らす。

著 者:タイラー・コーエン 出版社:NTT出版 発行日:2019年7月

2019年5月号掲載

イースタニゼーション

世界の経済や政治は、これまで欧米を中心に形作られてきた。だが今や、中国やインドの台頭などにより、世界の重心はアジアへ移りつつある。この「イースタニゼーション」(東洋化)の動きを、フィナンシャル・タイムズ紙の外交関係論評責任者が解説。取材力を駆使し、軋みを見せる世界、アジアの動きを浮き彫りにする。

著 者:ギデオン・ラックマン 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2019年2月

2019年4月号掲載

リバタリアニズム

「リバタリアニズム」(自由至上主義)とは、公権力を極力排除し、自由の極大化を目指す立場のこと。社会保障費の増額に反対など、経済政策面は「保守」だが、イラク戦争反対、同性婚に賛成など「リベラル」な面も持ち、従来の左右対立の枠に収まらない。近年、米国社会に広がるこの思想の実態を、現地取材を基に詳説する。

著 者:渡辺 靖 出版社:中央公論新社(中公新書) 発行日:2019年1月
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