成果をあげるための秘訣を1つだけあげるならば、それは集中である。成果をあげる人は、もっとも重要なことから始め、しかも、一度に1つのことしかしない。
解説
成果をあげるための秘訣、それは「集中」することだ、とドラッカーは説く。
自らの強みを生かそうとすれば、その強みを重要な機会に集中しなければならない。それ以外に成果をあげる方法はないのだ。
人には驚くほど多様な能力がある。だが、その多様性を生産的に使うためには、多様な能力を1つの仕事に集中することが不可欠だ。
集中するための第1の原則は、もはや生産的でなくなった「過去のもの」を捨てることである。
そのためには仕事を定期的に見直し、「まだ行っていなかったとして、今これに手をつけるか」を問う必要がある。答えが無条件にイエスでない限り、やめるか、大幅に縮小すべきだ。生産的でなくなったものに、資源を投じてはならない。
従って、自らが成果をあげることを望み、組織が成果をあげることを望む者は、常に計画、活動、仕事を点検する。「これは価値があるか」を自問する。答えがノーならば、真に意味のある仕事に集中するために、それらを捨てる。
古いものの計画的な廃棄こそ、新しいものを強力に進める唯一の方法である。
編集部のコメント
経営者や管理職で、“マネジメントの父”P・F・ドラッカーの名前を聞いたことがない、という方はいないのではないでしょうか。
ドラッカーは生前、米国クレアモント大学院大学の教授として社会科学と経営学の教鞭を執った他、経営コンサルタントとして、政府機関、大企業、非営利組織(NPO)などが抱える問題の解決に50年以上取り組んでいました。
また、マネジメントの機能について体系的に解説した『現代の経営』(ダイヤモンド社)や、エグゼクティブが成果を上げるために必要な能力を指南する『経営者の条件』(ダイヤモンド社)など、2005年に逝去するまで数多くの著作を刊行しています。
こうしたことから、「ビジネス界に最も影響力を持つ思想家の1人」と称されるのが、ドラッカーです。
本書『プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか』は、そんなドラッカーの膨大な著作の中から、個人の生き方、働き方に関する論考を抜き出し、まとめたものです。
これからの時代、知識労働者が成果をあげるためにすべきこととは何か? 自分をいかにマネジメントすればよいのか? ドラッカー自らの経験も交え、一流の仕事ができるようになるための秘訣が語られています。ちなみに、上掲の言葉が記されている本書Part3第4章「もっとも重要なことに集中せよ」は、『経営者の条件』からの抜粋です。
まだドラッカーの書籍を読んだことがない人はもちろん、すでにドラッカーに親しんでいる方にも、本書は自己実現に役立つ智慧を与えてくれるはずです。




