マーケターはよくロイヤルティとか顧客との長期的な関係とかいう話をするが、近年では、ますます多くの消費者が企業との関係をオープン・マリッジ、つまり浮気公認の結婚関係のようなものとみなしている。

解説

 現代の消費者は浮気性である。
 例えば2012年の調査で、ホテル・ブランドに対するロイヤルティが急激に低下したことがわかった。回答者のうち、「毎回同じブランドのホテルに宿泊する」と答えた人は、わずか8%にすぎなかったのだ。
 こうした傾向の根底には、様々な要因がある。
 価格比較サイトやレビュー・サイトなど、各ホテルの価値を評価できるツールが増えたのは、その理由の1つである。
 顧客ロイヤルティの低下にもかかわらず、いまだに多くのマーケターはロイヤルティを重視する。ロイヤルティは自社の利益に大きく貢献する、マーケティング費用の減少や競合他社参入の阻止など他にも様々なメリットがある、と。
 ロイヤルティの重要性については、これまでに多くの専門家が議論してきた。
 学者たちは「ロイヤルティが収益性のカギを握る」と繰り返し唱えてきた。コンサルタントは、顧客の生涯価値の計算方法を説いた。顧客生涯価値は、企業が新規顧客の獲得に費やせるコストを測る目安になるとされる。
 こうした議論は魅力的だが、その説得力や重要性はますます小さくなっている。
 顧客と企業の関係がオープン・マリッジに近くなれば、つまり浮気性の消費者が増えれば増えるほど、生涯価値は理論上の計算にすぎなくなる。特に他社に乗り換えるコストが低い場合、長期的な関係を築くのは困難だ。
 長期的な関係が実現しそうもないのであれば、生涯価値の計算に基づいてマーケティング判断を下すのは無意味である。

ウソはバレる 「定説」が通用しない時代の新しいマーケティング

ウソはバレる 「定説」が通用しない時代の新しいマーケティング

著者 イタマール・サイモンソン、エマニュエル・ローゼン
出版社 ダイヤモンド社
発行日 2016年6月16日
icon link 要約はこちら
icon link 詳細を見る

新刊ビジネス書の
要約を紹介する月刊誌
『TOPPOINT』
本誌を
サンプルとして無料
お送りいたします。

  • book01

    熟読

    毎月大量に発行される新刊ビジネス書や、文化、教養に関する新刊書などを、100冊前後吟味します。

  • book02

    厳選

    熟読した本の中から特に「切り口や内容が新鮮なもの」「新たな智恵やヒントが豊富なもの」10冊を厳選します。

  • book03

    要約

    読者の方が、本を購入される際の「判断基準」となるよう、原著の内容を正確に、わかりやすく要約します。

購読者の約7割が、経営者および
マネジメント層の方々。
購読者数は1万人以上!
その大半の方が、6年以上ご愛読。

まずは、無料で資料請求