イスラエルで、ある遺跡を発掘していたとき、古代の墓地が出てきた。人骨・髑髏がざらざらと出てくる。こういう場合、必要なサンプル以外の人骨は、一応少し離れた場所に投棄して墓の形態その他を調べるわけだが、その投棄が相当の作業量となり、日本人とユダヤ人が共同で、毎日のように人骨を運ぶことになった。
それが約1週間ほどつづくと、ユダヤ人の方は何でもないが、従事していた日本人2名の方は少しおかしくなり、本当に病人同様の状態になってしまった。ところが、この人骨投棄が終ると2人ともケロリとなおってしまった。この2人に必要だったことは、どうやら「おはらい」だったらしい。
解説
骨は、元来は物質だ。この物質が、放射能のような形で影響を与えるなら、日本人だけが影響を受けるとは考えられない。従ってこの影響は非物質的なもので、人骨という物質が日本人にだけ何らかの「心理的影響」を与えた、と見るべきである。
おそらくこれが、日本の社会に古くから存在する「空気」の基本型だ。2人の日本人は、墓地発掘の「現場の空気」に耐えられなかったのである。
我々日本人は、物質から何らかの心理的・宗教的影響を受ける。言い換えれば、物質の背後に「何か」が臨在していると感じ、知らず知らずのうちにその何かの影響を受けるのである。




