人というものは、年齢とともに賢くなるのが普通だろうと私は思っている。しかし、なぜか同じミスを飽きもしないで繰り返す。一方で成功もたくさん経験しているが、それを首尾よく繰り返すことができない。
なぜそうなるのか。理由は簡単だ。いったん立ち止まり、深呼吸し、何がうまくいって何がうまくいっていないのかを考える時間を設けていないからだ。
解説
長期的な成功を実現するには、成功と失敗から学ぶことが欠かせない。
過去の自分の行動を振り返り、何がうまく機能したのかを突き止め、それを繰り返す。機能しなかったことについては率直に認め、同じことを繰り返さない。
それを実行すれば、自然といい結果が出る。こうして人は、生涯学び続ける。
そのために必要な時間は、ほんのわずかである。
1日の終わりに一時停止の時間(5分程度)を設け、どんな1日だったのかを思い返してみる。取り組んだ仕事、人との会話など、期待していた1日の過ごし方と現実とを比較してみる。
そして、自分に次の3つの問いかけをする。
- ①どんな1日を過ごしただろうか? 何が成功し、何がうまくいかなかっただろうか?
- ②今日新しく学んだことはあっただろうか? 自分自身について、自分以外の人について何を知っただろうか?
- ③誰と交流しただろうか? 連絡をとる必要のある相手は? 感謝したか? 情報や意見の交換をしたか?
質問③は、人間関係を維持する上で極めて重要である。メールを出して感謝の意を伝えたり、プロジェクトの最新情報を伝えたりするのにかかる時間はわずか数分だ。
こういうコミュニケーションをおろそかにしないためにも、一時停止して考える価値がある。