人々は、あなたのWHATを買うわけではない。あなたがそれをしているWHYを買う。
解説
- 人や組織の思考と行動には、3つの要素がある。
- ・WHAT(していること):自社が扱う製品やサービス、自分の職務など、自分のしていること。
- ・HOW(手法):「独自の工程」「ユニークな販売法」など、他とは違う方法のこと。
- ・WHY(理由):自分が今していることの理由。なぜ、あなたの会社は存在しているのか?
大半の組織や人間は、WHATから考え、行動する。自分のWHATを説明し、HOWも説明する。ところが、そうしているWHYを説明することはめったにない。例えば、次のような具合だ。
「我々は、すばらしいコンピュータを作っています。美しいデザイン、シンプルな操作法、取り扱いも簡単。1台、いかがです?」
だが、傑出したリーダーや組織は、そんな真似はしない。彼らは皆、WHY→HOW→WHATの順で考え、行動し、コミュニケーションをとる。
例えば、アップルなら次のように言うだろう。
「現状に挑戦し、他者とは違う考え方をする。それが私たちの信条です。製品を美しくデザインし、操作法をシンプルにし、取り扱いを簡単にすることで、私たちは現状に挑戦しています。その結果、すばらしいコンピュータが誕生しました。1台、いかがです?」
アップルのメッセージはWHY、つまり目的、大義、理念から始まっている。そして、製品は彼らの信条や大義を具現化したものなのだ。
他社も、使いやすい、美しい製品を作ることはできる。だが、同じ結果は出せない。なぜか?
その理由を端的に述べたのが、上掲の言葉である。人々はアップルのWHYに惹かれ購入するから、アップルは傑出した存在になったのだ。
編集部のコメント
様々な分野・業種の専門家による講演を無料配信しているアメリカの人気サイト「TED.com」。2009年、同サイトでサイモン・シネック氏の講演「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」が公開されると、大きな反響を呼びました。その後、この動画は6000万回以上も視聴され、TEDの歴代再生回数ランキング2位に輝きました。
この講演で述べられた、「WHYから始めよ!」という簡潔なメッセージを、シネック氏独自の考え方である「ゴールデン・サークル」とともにわかりやすく解説したのが、2009年に原著が刊行された『WHYから始めよ!』(邦訳版は2012年刊行)です。彼の主張は世界中の人々の心をとらえ、世界300万部を突破するロングセラーとなりました。
そして2025年、この本に加筆・修正を加えた改訂版が刊行されました。それが、『WHYから始めよ! [改訂版] インスパイア型リーダーはここが違う』です。
本書でシネック氏は、アップルやライト兄弟などの事例を通じて、人々を感激させ、自発的な行動へと導く「インスパイア(鼓舞)型リーダー」の考え方と行動を解き明かしています。
人々が自ら進んで協力したくなるのは、どのようなリーダーなのか。何を信じ、何のために行動すればよいのか。組織を率いる経営者や管理職はもちろん、チームで働く人、自分の理念を周囲に伝えたい人にも示唆を与えてくれる1冊です。まだお読みでない方は、ぜひ一度手に取ってみることをお薦めします。




