2021年3月号掲載

ビジネスの未来

経済・経済学社会・政治
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著者紹介

概要

「エコノミーにヒューマニティを取り戻す」。副題が示す通り、人が人らしく生きられる社会システムについて考察した書だ。低成長=社会の成熟であり、悲しむべきことではない。経済成長を追い求める従来のビジネスは、歴史的使命を終えたと指摘。資本主義の現状を分析した上で、未来への方向性、今後すべきことが示される。

要約

私たちはどこにいるのか?

 ビジネスは、その歴史的使命をすでに終えているのではないか?

 この疑問に対する答えはイエス。ビジネスは、その歴史的使命を終えつつある。

 私たちが過去200年にわたって連綿と続けてきた、「経済とテクノロジーの力によって物質的貧困を社会からなくす」というミッションがすでに終了していることを、様々なデータが示している。

 この状況は、しばしば「低成長」「停滞」「衰退」といったネガティブな言葉で表現されている。しかし、これは何ら悲しむべき状況ではない。

 古代以来、人類は常に「生存を脅かされることのない物質的社会基盤の整備」という宿願を抱えていた。現在の状況は、それがやっと達成された、言うなれば「祝祭の高原」とでも表現されるべき状況である。

 私たちは近代化を推し進めていた「登山の社会」から、近代化を終了した「高原の社会」へと移行しているのだ。

新しいゲームの始まり

 昨今、資本主義に関する行き詰まりを指摘する論考が数多く出されている。だが、私は「資本主義は終わった」などと乱暴に断ずるつもりはない。

 現在の社会は「物質的不満の解消」についてはゲームを終了した状態にあるが、「生きがい」や「やりがい」といった「意味的価値の喪失」といった問題をはじめ、貧困や格差や環境など、これまでのビジネスでは解決の難しい社会的課題が多く残っている。まだまだ「真に豊かで生きるに値すると思える社会」にはなっていない。

 これらの問題をどう解決していくかはテーマによって異なるが、「古いゲームが終わり、新しいゲームが始まる」ということは言える。

「グレートリセット」が意味するもの

 2020年6月、世界経済フォーラム(通称ダボス会議)は、2021年1月の年次総会のテーマを「グレートリセット」にすると発表した。

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