日本経済 予言の書

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著者紹介

概要

2020年代は、これまで叫ばれてきた様々な危機が現実化する ―― 。未来予測の専門家が、今後10年間に日本が直面する様々な現象を予測した。コロナショックによる企業倒産、頻発する気象災害、官僚機構の弱体化、そしてイデオロギー崩壊…。コロナ後の変化とリスクに対応する上で、心に留めておきたい指摘が満載の書である。

要約

コロナショックで何が起きるか

 今、新型コロナウイルスの感染拡大が世界中を震撼させている。これまでにも2003年のSARSや2012年のMERSなど、ウイルスによる新型感染症の出現は何度も起きている。ウイルスの進化は確実に起きるリスク要因である。私たちはこうした未来のリスクを知り、それに備える必要がある。

 では、どのように未来を予測するのか。私は次の4段階のステップで情報を収集、分析している。

  •  ①起きている現象について情報収集し、影響の範囲を考察する。
  •  ②想定できないリスクは何か? 要因を挙げ、それぞれのリスクを見積もる。
  •  ③過去の類似現象と似ていること、繰り返す歴史を考察する。
  •  ④構造的に過去とは前提が変わるもの、新しい変化は何かを考察する。

 この流れで新型コロナウイルスの問題を考えると、例えば次のような点が浮かび上がってくる。

パンデミックになりやすい新型コロナウイルス

 専門家によれば、今回のウイルスは生存戦略的に過去のSARSよりも巧妙に人類に蔓延している。SARSは新型コロナよりも強いウイルスで、感染者の大半が重症化した。重症化するということは、感染者が判明しやすい。だから、SARSの感染封じ込めは比較的容易だった。

 一方、新型コロナウイルスの場合、感染しても無自覚な人や軽症者が非常に多く、そうした人々を通じて社会にウイルスが蔓延しやすい。つまり、パンデミックになりやすいウイルスなのだ。だから感染拡大を抑え込む抜本的な対策としては、都市のロックダウン(都市封鎖)しかない。

コロナ倒産が特定業種で相次ぐ

 日本の場合、ロックダウンに踏み込まず、自粛要請方式をとった。その自粛期間がだらだらと長くなったため、経済に与える打撃は大きい。

 まず、自粛明けの6月に個人消費の低迷が起きる。夏になると、ボーナスが出ないので、耐久消費財の消費低迷が明らかになる。そして9月頃には、航空業界、ホテル業界、観光業界、飲食店など幅広い業種で倒産が相次ぐはずだ。

 これらの業界を支えているのは、地方銀行や信用金庫といった金融機関である。そうした金融機関のバランスシートが傷むとともに、そのタイミングでコロナの再流行が起きることから、2021年には金融恐慌に突入することが危惧される。

コロナは経済のパラダイムを変える

 さらに、コロナは消費経済のパラダイムを変えてしまうかもしれない。例えば、「あんな浪費は必要なかった」「最小限でやっていける生活手段がよくわかった」といった声が出ているように、消費者の行動が賢くなった。

 この賢さは、経済には鬼門である。世界経済の発展は消費の増加に支えられてきた。ところが、世界が「もう少し抑えた消費で暮らす方がいい」と気づいてしまうと、コロナがきっかけで世界全体のGDPが縮小する可能性がある。

 また、コロナ以後の職場の前提が変わる可能性もある。具体例が、テレワークの普及だ。

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