2020年11月号掲載

ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論

Original Title :BULLSHIT JOBS:A Theory

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著者紹介

概要

過去数十年で労働生産性は大きく上がった。だが、労働時間は減らず、報酬も平行線をたどっている。なぜか。それは、「ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)」が増えたからだ! 生産性の向上に伴い社会に広がった無意味な仕事の実態と、それが増加した原因を明らかにする。仕事と価値の関係を見つめ直す、世界的話題の書。

要約

ブルシット・ジョブ現象とは

 1930年、ジョン・メイナード・ケインズは、20世紀末までに、テクノロジーの進歩によって週15時間労働が達成されるだろう、と予測した。

 テクノロジーの観点からすれば、これは可能だった。だが、達成されなかった。かわりに、テクノロジーは私たちをさらに働かせるための方法を考案するために活用されてきた。この目標のために実質的に無意味な仕事がつくりだされた ―― 。

ブルシット・ジョブの誕生

 ケインズによって約束されたユートピアは、どうして実現しなかったのか?

 米国における1910年と2000年の雇用を比較すれば、事態が理解できる。この間、工業や農業部門の働き手の数は激減し、管理職や事務職、サービス業の働き手は3倍になった。つまり、生産に携わる仕事は、そのほとんどが自動化されたのだ。

 だが、労働時間は減らなかった。それどころか私たちが目の当たりにしてきたのは、サービス部門というより管理部門の膨張だ。そのことは、金融サービスやテレマーケティングといった新しい産業の創出や、企業法務や人材管理、広報といった諸部門の前例なき拡張によって示されている。

 これらの仕事を、私は「ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)」と呼ぶ。まるで何者かが、私たちを働かせ続けるために、無意味な仕事を生み出しているようなものだ。

 なぜ、こうした事態が起こったのか。その答えは、経済上のものではない。政治上のものである。

4割の労働者が自分の仕事を無意味と回答

 このような指摘をした私の小論「ブルシット・ジョブ現象について」は爆発的な反響を呼んだ。

 オランダでも、労働者の40%が「自分の仕事が存在する確固たる理由はない」と報告している。

 

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