危機と人類〔上〕〔下〕

Original Title :UPHEAVAL:Turning Points for Nations in Crisis

国際・世界情勢社会・政治文化・思想・歴史
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著者紹介

概要

著者は、『銃・病原菌・鉄』で知られるジャレド・ダイアモンド氏。本書では、国家的危機への対処法を、個人的危機の解決法というレンズを通して考察。近現代の国家の危機を事例に、劇的変化を乗り越えるための道筋を示す。国も人も、全く違うものへは変われない。危機に際しては、何を変え、残すか、「選択」が大事だという。

要約

個人的危機に関わる要因

 たいていの人は、生涯で何回か、個人的危機を経験する。それを乗り越えるため、自分を変えようとするが、成功する場合もしない場合もある。同じく、国家も危機に見舞われる。変革によって乗り越えようとするが、やはり成否が分かれる。

 個人的危機の解決法については、心理療法士などによる膨大な研究記録がある。それらを活用して、国家的危機の解決法を解明できないだろうか。

 そこで、まず私の人生経験を記そう。

 1942年、5歳の時、ボストンのナイトクラブで火災が起こり492人の死者が出た。被害者家族は大切な存在を失い、人生の危機に直面した。私はその恐ろしさを父から聞き、間接的に経験した。

 次に、比較のために国家的危機の例を挙げよう。

 私は1950年代末~60年代初め、イギリスに住んでいた。当時、この国では国家的危機がゆっくり進んでいた。世界最大の富を謳歌したイギリスも、50年代に入ると経済は行き詰まり、植民地の独立で領土も失う。イギリス人の友人らは、こうした出来事の意味を理解するのに苦労していた。

 このように、危機と変化への圧力は個人と国家に突きつけられる。それにうまく対応するためには、「選択的変化」が必要である。

 自身の能力と価値観を公正に評価し、どれが現時点で機能し、どれが機能していないかを見極める。そして、新たな状況に対応するのである。

 ボストンの火災後、精神科医が「危機療法」という治療法を考案した。その専門家らは、個人的危機の解決に役立つ要因を12個突き止めている。

①危機に陥っていると認めること

 「私は問題を抱えています」。この認識が本人になければ、問題解決へ進めない。

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