2022年12月号掲載

世界から戦争がなくならない本当の理由

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著者紹介

概要

第二次世界大戦が終わって70年余り。しかし、戦争やテロは、常にどこかで起きている。ベトナム、アフガニスタン、中東、そしてウクライナ…。「戦争のない世界」はやって来るのか。そして、日本は本当に「平和」なのか。多方面で活躍するジャーナリストが、戦後の世界と日本を振り返り、戦争をなくすための教訓を引き出す。

要約

なぜ世界から戦争はなくならないのか

 「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」 ―― 。

 広島平和記念公園にある原爆死没者慰霊碑にあるこの言葉は、「主語」がないことで有名だ。主語がないので、繰り返してはいけないのが誰の「過ち」なのかが、はっきりしない。

 原爆投下による民間人の虐殺は戦争犯罪である。だから、アメリカの「過ち」だという人もいる。その一方、日本が戦争を始めたこと自体が「過ち」だったと考える人もいる。どちらであれ、「過ち」を繰り返してはいけないことは間違いない。

 そこで必要なのは、しっかりと過去から学び、反省をして、現在と未来に活かせる教訓を引き出すことである。

戦争に懲りた結果、戦争を起こしたソ連

 ただし、戦争から教訓を得たからといって、それが必ずしも「不戦」につながるわけではない。戦争を経験した国が「もう絶対あんな目には遭いたくない」と考えて対策を講じた結果、自ら紛争のタネを作ることもある。

 例えば、かつてのソ連がそうだ。ソ連は、第二次世界大戦で多くの犠牲者を出した。2700万人もの命が失われたため、ひどいトラウマになった。

 そこで、過ちを繰り返さないために、ソ連が何をしたか。彼らは、二度と侵略を受けないようにするには、国境の外に緩衝地帯を作らなければいけないと考えた。そのためソ連は、西欧と自国の間にある東欧諸国を社会主義化した。それが、過去の教訓から導き出したソ連の戦争防止策だった。

 しかし、これによって「東西冷戦」が始まり、世界は緊張度を増していった。

 このアフガニスタン紛争は、1989年まで続いた。先の大戦から得た教訓を“活かした”結果、ソ連はアフガニスタンで10年にも及ぶ戦争をしたわけである。

戦争の「成功体験」が過ちを生む

 一方、戦争の成功体験から得た教訓が、次の失敗を引き起こすこともある。

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