日本人として知っておきたい世界史の教訓

国際・世界情勢社会・政治文化・思想・歴史
  • 著者
  • 出版社
  • 発行日
    2018年8月15日
  • 定価
    1,500円+税
  • ページ数
    262ページ
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著者紹介

概要

混迷する国際社会の中で、日本が生き抜くために必要なこととは? それは、「大きなスケールの歴史に基づいて世界をよく知ること」。こう語る国際政治学者・中西輝政氏が、世界史の事件を読み解いた。20世紀の世界で覇権国であり続けた英米両国の覇権の本質に関する考察を中心に、世界史から日本が学ぶべき教訓を引き出す。

要約

アングロサクソンはなぜ最強なのか

 近年、「アメリカの衰退」「覇権の終焉」などという言葉をよく耳にする。

 確かに外交・軍事的にはイラク、アフガニスタンからの撤退、経済的にはリーマンショックなど、一見、アメリカの力は後退しているように見える。

 しかし、それだけで明日の世界の大勢と判断するのは性急に過ぎる ―― 。

「アングロサクソンの覇権」の本質

 「アメリカの覇権」とは、正確にいうなら「アングロサクソン(英米)の覇権」である。アメリカの覇権が確立する前、世界に君臨したのはイギリスだ。英米両国はアングロサクソンという1つの文明世界であり、現在のアメリカの覇権は、18世紀初めから約300年にわたって続く、アングロサクソンの覇権の一部と見ることもできる。

 従って、アメリカだけを見ていては、その本当の強さの理由がわからない。例えば、今の米軍は圧倒的な兵力を有する。そのため、軍事力の優越こそ覇権国の条件だと考えがちだが、それは違う。

 アングロサクソンのイギリスが世界の覇権を握れた要因は、軍事力ではない。カギとなったのは「金融力、情報力、海洋力」、これら3つの力だ。

イギリスが勝者となった要因

 イギリスが覇権国家となるきっかけは、1588年、スペイン無敵艦隊を破った「アルマダ海戦」だ。この海戦の最大の勝因は、実は海軍力ではなく、欧州大陸に張りめぐらせた金融ネットワークを駆使した情報工作にあった。

 この時、スペインはイギリス侵略に向けて130隻の大艦隊を準備するが、計画より1年半も遅れて出港する。その理由は、軍資金不足だ。これこそイギリスによる情報工作の成果である。

 イギリスは、欧州で金融業を営むユダヤ人のネットワークをフルに使い、「スペイン王室はすでに破産している」という噂を大々的に流した。その結果、誰もスペインに金を貸さなくなったのだ。その上、スペイン海軍の中に多くのスパイを送り込み、逐一、情報を収集して自国の防備を固めた。

「航行の自由」こそ覇権国の戦略

 加えて、イギリスが注力したのが「海洋覇権」の確立だ。ここで重要なのは、交易を重視するイギリス(そしてアメリカ)型の覇権国とそれ以外の国では、海洋支配に対する考え方が異なることだ。それは「航行の自由」への強い信奉である。

 軍艦の航行範囲は、そのままその国の勢力図でもある。強い海軍に守られることで、その国の商船団は世界中で経済活動を行うことができる。

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