2016年11月号掲載

スタンフォードのストレスを力に変える教科書

Original Title :The Upside of Stress

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著者紹介

概要

「ストレスは健康に悪い」。医師や心理学者をはじめ、多くの人がそう信じている。だが、実際はその「思い込み」によって、健康を害しているとしたら ―― ? スタンフォード大学の心理学者が、医学や心理学、神経科学の最新の知見を踏まえ、ストレスに関する誤解、心身にもたらす意外な効用などについて説く。

要約

ストレスを見直す

 ストレスについてどう思うかを表すとしたら、あなたはどちらがしっくりくるだろうか?

    • A:ストレスは健康に悪いから、なるべく避けたり減らしたりして管理する必要がある。
    • B:ストレスは役に立つから、なるべく受け入れて、うまく付き合っていく必要がある。

 以前の私ならAを選んだ。健康心理学者として心理学や医学の研修を受けてきたが、ストレスが有害であることは明白な事実として教えられた。

「ストレスは健康に悪い」のか?

 だが、私はストレスについての考え方を改めた。

 そのきっかけとなった研究結果がある。1998年に、米国で3万人の成人を対象に行われた調査で、参加者に対して、次の2つの質問が行われた。

  • ・1年間でどれくらいのストレスを感じたか?
  • ・ストレスは健康に悪いと思うか?

 8年後の追跡調査で、強度のストレスがある場合、死亡リスクが43%も高まることがわかった。

 ただし死亡リスクが高まったのは、強度のストレスを受けていた参加者の中でも、「ストレスは健康に悪い」と考えていた人だけだった。そう思わなかった人たちの死亡リスクは上昇しなかった。

 研究者たちの結論は、「人はストレスだけでは死なない」ということだった。ストレスを受け、さらに「ストレスは健康に悪い」と考えていると、死亡のリスクが高まるのである。

 「ストレスは健康に悪い」と思い込んだ場合に限って、ストレスは有害となる ―― この研究結果によって、私は自分の考えを改める機会を得た。

ストレスにはよい面もある

 そして、ストレスについての考え方を変えれば、もっと健康で幸せになれる。ストレスについての考え方次第で、健康状態から、人生に意味を見いだせるかどうかまで、様々なことが左右される。

 

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