2007年2月号掲載

ラッセル 幸福論

Original Title :The Conquest of Happiness

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著者紹介

概要

いわゆる“世界三大幸福論”の1つ。アランの幸福論は文学的、ヒルティの幸福論は倫理的、道徳的という特徴を持つが、このラッセルの幸福論は実用主義的といえるだろう。英国の思想家ラッセルが、不幸の原因と、幸福になるための知恵を解き明かす。不幸の原因を分析した部分では身につまされ、後半では「それでも幸福になれる」と勇気を与えられる。

要約

何が人々を不幸にするのか?

 動物は、健康で食べ物が十分にある限り、幸福である。人間も当然そうだと思われるのだが、現代世界ではそうではない。

 あなたの周りにいる友人の何人が幸福だろうか、と自問してみるとよい。不幸は至るところにあることを、あなたは発見するだろう。

 だが、極端な外的不幸の原因がある場合を除き、普通の日常的な不幸は、大部分、間違った世界観や道徳、生活習慣によるものである。

 つまり、個人の力で何とかなる事柄である。

 それには、例えば次のようなものが挙げられる。

成功のための競争

 米国や英国のビジネスマンに、「生活の楽しみを一番邪魔するのは何か」と聞いてみるとよい。彼らは、「生存競争だ」と答えるだろう。

 この場合、生存競争という言葉が意味するのは、「成功のための競争」に他ならない。

 この競争に参加している時、人々が恐れるのは、明日の朝食にありつけないのではないか、ということではなく、隣近所の人たちを追い越すことができないのではないか、ということだ。

 例えば、ほとんどの米国人は、安全な投資で4%儲けるよりも、危険な投資で8%儲ける方を選ぶ。その結果、絶えず心配し続けることになる。

 こうした考えに陥る原因は、幸福の主な源泉として、競争して勝つことを強調しすぎる点にある。

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