2022.1.4

新しい年の始まりに、「幸せ」について考える

新しい年の始まりに、「幸せ」について考える
人は、誰しも幸せに生きたいと願うもの。では、自分が幸せかというとどうでしょうか。自信を持ってうなずける人はそれほど多くないかもしれません。
人はどうすれば幸せになれるのか。そもそも幸福とは何なのか?
今回は、この深遠な問いに示唆を与えてくれる6冊を選書しました。
多くの人々に読み継がれる「世界三大幸福論」から、20世紀末に生まれた新たな学問「ポジティブ心理学」に関する良書まで。
新たな年の始まりに、ご自身の「幸せ」について見つめ直す手がかりとなれば幸いです。この1年が、皆様にとって幸多いものとなりますように。

2014年9月号掲載

幸福論

様々な訳で親しまれてきた、フランスの哲学者アランの『幸福論』を、画期的新訳で紹介する。文体が独特な原文を読みやすくするため、接続詞や説明を補足。また、各項目の最初には楽しいイラストとともに、その項のキーワードを掲載。ポイントが一目瞭然で理解しやすい。原著は約90年前のものだが、その内容は私たちの心に今も響き、気づかされることは多い。

著 者:アラン 出版社:日経BP社 発行日:2014年7月

2007年2月号掲載

ラッセル 幸福論

いわゆる“世界三大幸福論”の1つ。アランの幸福論は文学的、ヒルティの幸福論は倫理的、道徳的という特徴を持つが、このラッセルの幸福論は実用主義的といえるだろう。英国の思想家ラッセルが、不幸の原因と、幸福になるための知恵を解き明かす。不幸の原因を分析した部分では身につまされ、後半では「それでも幸福になれる」と勇気を与えられる。

著 者:バートランド・ラッセル 出版社:岩波書店(岩波文庫) 発行日:1991年3月

1996年3月号掲載

幸福論

スイスの哲学者、法学者、カール・ヒルティによる幸福論。原著は3巻から成り、第1巻は1891年に出版された。これが非常な好評を博して、第2巻以下が世に出るに至ったという。彼が熱心に読み、感化された書物が「聖書」ということもあって、本書では、キリスト教的信仰に立った幸福論が説かれる。豊かな見識と不動の信念に基づく、人生論の古典である。

著 者:カール・ヒルティ 出版社:岩波書店(岩波文庫) 発行日:1935年5月

2020年4月号掲載

幸福の意外な正体 なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか

心理学者が説く、幸福学である。その指摘は、まさに目からウロコ。「自分が欲しいと願うもの」=「幸せをもたらすもの」ではない、幸せへの期待が不幸せを招きかねない…。各種の研究からわかった、意外で興味深い事実を示す。また、幸福度が高まるトレーニングなども紹介。自分自身の幸福をつかむ上で、示唆に富む書だ。

著 者:ダニエル・ネトル、金森重樹(監訳) 出版社:きずな出版 発行日:2020年2月

2020年6月号掲載

ハーバードの人生を変える授業

著者はかつてハーバード大学で、幸せな人生を送るための考え方、行動の仕方を心理学に基づいて説いた。本書は、同大学で最も多くの履修者が詰め寄せたという、その授業をまとめたものだ。感謝することを毎日ノートに書く、生活を簡素化する、いいところを探すなど、幸福のためになすべきことが、その根拠とともに示される。

著 者:タル・ベン・シャハー 出版社:大和書房(だいわ文庫) 発行日:2015年1月

2021年8月号掲載

ポジティブ心理学 科学的メンタル・ウェルネス入門

「不幸でない」ことと「幸福である」ことは違う。では、何が幸福をもたらすのか? それを探り、幸福な状態へと導くのが、“ポジティブ心理学”。20世紀末に生まれた、実践的な心の学問だ。この新しい学問の概要、個人・社会への活用法を、政治学者が解説。自分の人生を充実させ、より良い社会のあり方を考えるヒントを示す。

著 者:小林正弥 出版社:講談社(講談社選書メチエ) 発行日:2021年1月

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