2023.9.4

編集部:西田

『孫子』に並ぶ兵法書! 『兵法三十六計』から中国の覇権戦略を読み解く

『孫子』に並ぶ兵法書! 『兵法三十六計』から中国の覇権戦略を読み解く

 2023年8月24日、福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出が開始されました。
 IAEA(国際原子力機関)からも国際安全基準に合致しているとの評価を得た、科学に基づく処理です。放出開始後に環境省が行った海域モニタリングでは「トリチウムの濃度は11か所全てで検出下限値未満」とされており(「ALPS処理水に係る海域モニタリングの結果について」/環境省HP 2023年8月27日)、現在までのところ人や環境に対する安全は確保されているといえるでしょう(もちろん、それとは別に、風評被害の防止に万全を期す必要はあります)。

 ですが、この件について、中国は激しく反発しています。処理水を「核汚染水」と呼び、放出の前には「必要な措置をとって、海洋環境、食品の安全、国民の健康を守る」などと述べています(「中国外務省 日本大使呼び抗議 処理水放出の方針決定受け」/NHK NEWS WEB 2023年8月23日)。
 一方、報道によると中国では、原発によっては福島第一原発の約6倍ものトリチウムを含む処理水を放出しているところもあるとのこと(「中国の複数原発がトリチウム放出、福島「処理水」の最大6・5倍…周辺国に説明なしか」/読売新聞オンライン2023年6月23日)。

 矛盾するように見える中国の態度は、感情的になかなか受け入れ難いものがあります。ですが、相手のペースに吞まれないためには、そうした感情面はさておき、中国の対応が一体どのような戦略に基づくものなのかを冷静に理解する必要があるでしょう。
 今週Pick Upするのは、その中国の対日戦略について“古典”という切り口から示唆を与えてくれる本、『中国戦略“悪”の教科書 『兵法三十六計』で読み解く対日工作』(上田篤盛/並木書房)です。

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