2026.4.13

編集部:小村

多様なメンバーの力を最大限に引き出す! 新任リーダーに贈るリーダーシップの名著

多様なメンバーの力を最大限に引き出す! 新任リーダーに贈るリーダーシップの名著

新任リーダーにお薦めの1冊

 この4月から、新たに管理職やチームリーダーとなった方は多いのではないでしょうか。
 いざ部下をまとめる立場になると、メンバーの性格や経験、スキルなどが1人1人異なることに、改めて気づくかもしれません。そうした多様な個性を上手に生かしながらチームの目標を達成するには、リーダーシップのあり方が重要です。

 そこで今回は、新任リーダーにお薦めしたい1冊をPick Upします。チームメンバー1人1人の力を最大限に引き出す方法を伝授する、『新1分間リーダーシップ どんな部下にも通用する4つの方法』(ケン・ブランチャード 他著/ダイヤモンド社 刊)です。
 本書は30年以上読み継がれ、世界中の企業の管理職研修でも用いられてきた名著『1分間リーダーシップ』の新版として、2015年に刊行されました。

 『新1分間リーダーシップ』は、「1分間マネジャー」(短期間で優れた成果をあげる理想のマネジャー)のもとを女性起業家が訪れてリーダーシップのあり方を学んでいく、ストーリー形式のビジネス書です。
 登場人物たちの会話を通して、自然とリーダーシップについて学べるため、ビジネス書としては非常に読みやすい1冊です。また、約150ページと比較的短めの本ですので、「忙しくて時間がない」という方でも読み通すことができるでしょう。

『新1分間リーダーシップ』が説くリーダーシップスタイルとは?

 『新1分間リーダーシップ』が説くリーダーシップスタイルは、次の言葉で表されるものです。

 

違った人には違ったやり方を。

(『新1分間リーダーシップ』 9ページ)


 つまり、相手に応じて関わり方を変えるということです。本書ではこれを「状況対応型リーダーシップ」と呼んでいます。
 「1分間マネジャー」は、状況対応型リーダーになるためには、次の3つのスキルを覚える必要があると言います。

 

まず明確な目標を立てること。そしてそれぞれの目標ごとに相手の発達レベルを診断すること(中略)。そして3つ目に、相手が何を必要としているかによって、さまざまなリーダーシップスタイルを使い分けることです。短く言うと“目標設定・診断・マッチング”です

(『新1分間リーダーシップ』 29ページ)


 この「目標設定・診断・マッチング」という3つのスキルについて、本書は詳しく解説しています。

「診断」で部下の発達レベルを見きわめる

 3つのスキルのうち、状況対応型リーダーシップのカギとなるのは、「診断」と「マッチング」ではないかと私は考えています。
 まず「診断」とは、特定の目標やタスクごとに、部下の「発達レベル」を見きわめることです。そのためのコツを、1分間マネジャーはこう語ります。

 

発達レベルを見きわめるには、意欲(コミットメント)と技能(コンピテンス)という、ふたつの要素に注目する必要があります。言い換えると、指示がないと仕事をうまくこなせないのは、実力がないか、やる気がないか、両方かのどれかです

(『新1分間リーダーシップ』 45ページ)


 本書では、「意欲のあり/なし」と「技能のあり/なし」の2つの観点から、発達レベルを4つに分類しています。つまり、発達レベルは勤続年数ではなく、目標やタスクごとに、その人の意欲と技能の状態で判断するものです。

 例えば、「初心者は意欲も技能もないのでは?」と思うかもしれません。しかし、実はそうではありません。本書では、初心者は経験が足りず、技能はまだ十分でないものの、意欲は高い状態にあると分類しています。たしかに私も『TOPPOINT』編集部に入ったばかりの頃はそうだったなあ、と思いました。
 一方で、その意欲がなくなるのが、知識やスキルがある程度身についてきた段階です。この時、学ぶことが多く、思ったように成長を実感できないと、意欲も技能も不十分な状態になってしまいます。入社後しばらくして、こうした状況になった方も多いのではないでしょうか。

「マッチング」で相手の発達レベルに合わせたリーダーシップを選ぶ

 診断によって部下を4つの発達レベルに分類したら、リーダーはそれぞれのレベルに応じたリーダーシップを提供します。これが「マッチング」です。
 「マッチング」におけるリーダーシップスタイルは、「指示型行動」と「支援型行動」という2種類の基本行動の組み合わせで決まります。

 

指示型行動のキーワードは『決定』『指導』『観察』『頻繁なフィードバック』の4つ。
一方、支援型行動のキーワードは『傾聴』『介入』『促進』『激励』の4つです

(『新1分間リーダーシップ』 63ページ)


 例えば、先ほど見た「技能はないが意欲だけはある初心者」に対しては、指示型行動を多く、支援型行動を少なくするスタイルを本書では薦めています。この段階では、リーダーが指示を出し、頻繁にフィードバックを与えることで、部下が成長のきっかけをつかめるようサポートすることが重要だからです。
 このスタイル以外についても、本書では詳しく解説しています。さらに知りたい方は「TOPPOINTライブラリー」の要約もしくは原本をお読みください。

 このように、『新1分間リーダーシップ』は、新たにリーダーとなった人の道しるべとなってくれる1冊といえます。また、リーダーとなって何度目かの春を経験している方にとっても、リーダーシップの引き出しを増やす参考として、お読みいただければ幸いです。

(編集部・小村)

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 「編集部員が選ぶ今週のPick Up本」は、日々多くのビジネス書を読み込み、その内容を要約している編集部員が、これまでに『TOPPOINT』に掲載した本の中から「いま改めてお薦めしたい本」「再読したい名著」をPick Upし、独自の視点から読みどころを紹介するコーナーです。この記事にご興味を持たれた方は、ぜひその本をご購入のうえ通読されることをお薦めします。きっと、あなたにとって“一読の価値ある本”となることでしょう。このコーナーが、読者の皆さまと良書との出合いのきっかけとなれば幸いです。

2015年8月号掲載

新1分間リーダーシップ どんな部下にも通用する4つの方法

30年以上読み継がれてきた、世界的ベストセラー『1分間リーダーシップ』の新版。唯一の「最高のリーダーシップスタイル」というものはないと述べ、部下の成長度と状況によって対応を変える「状況対応型リーダーシップ」を解説。技能はないがやる気はある、技能はあるが自信がない…。多様なチームメンバーの力を、それぞれ最大限に引き出す方法を伝授する。

著 者:ケン・ブランチャード、パトリシア・ジガーミ、ドリア・ジガーミ 出版社:ダイヤモンド社 発行日:2015年5月
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