2021年12月号掲載

言志四録 全四巻

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概要

幕末の儒学者・佐藤一斎が、倫理道徳や学問修養、処世の教訓などを説いた『言志四録』。幕末から明治にかけて多くの人々に影響を与え、かの西郷隆盛も座右の書としていたという。数々の金言が収められたこの語録を、本書は簡潔な訳文で紹介。時代を経た今もなお、修養の糧として、処世の心得として、貴重な指導書である。

要約

佐藤一斎が説く処世の心得

天を師とす

 最上の人は宇宙の真理を師とし、第二等の人は立派な人を師とし、第三等の人は経典(聖人の著書)を師とする。

自ら省察すべし

 人間は誰でも、次の事を反省し、考察してみる必要がある。「天(神)はなぜ自分をこの世に生み出し、何の用をさせようとするのか。自分は天の物であるから、必ず天職がある。この天職を果たさなければ、天罰を必ずうける」と。

 ここまで反省、考察すると、自分はただうかうかとこの世に生きているだけではすまされないことがわかる。

立志の功

 志を立てて実績をあげるには、恥を知ることが肝要である。

実事と閑事

 今時の人は、口ぐせのように忙しいという。しかし、そのしているところを見ると、実際に必要なことをしているのは10の中の1、2に過ぎず、つまらない仕事が10の中の8、9である。そして、このつまらない仕事を必要な仕事と思っているのだから、これでは忙しいのももっともなことだ。

 本当に何かしようとする志のある者は、こんなあなに入り込んではいけない。

容人

 他人のいうことは、一応、聴き入れてからよしあしを選択すべきである。始めから断ってはいけない。また、その言に惑ってはいけない。

人相はかくす能わず

 人の心が外に現れるところは、言葉と顔色である。その人の言う言葉を推察して、顔色をみれば、その人が利巧か馬鹿かわかる。それは、決して隠すことはできないものだ。

賢否の相

愛と憎

 好き嫌いの考えが頭にあると、これが一番、人物鑑定に間違いを起こすもとになる。

後世の毀誉

 現世で悪く言われようが、ほめられようが、それは恐れるに足りない。後世になって悪く言われたり、ほめられたりすることは恐ろしい。

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