世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

スキル・能力開発
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著者紹介

概要

副題「経営における『アート』と『サイエンス』」。経営において、「分析」や「論理」を軸とする「サイエンス重視の意思決定」を行う企業は多いのではないか。しかし今、経営に必要なのは「アート」、すなわち「美意識」だという。ビジネスと美意識。一見意外なこの組み合わせが大切なわけを、組織開発を専門とする著者が説く。

要約

論理的・理性的な情報処理スキルの限界

 英国のロイヤルカレッジオブアート(RCA)は、修士号・博士号を授与できる世界で唯一の美術系大学院大学である。

 このRCAが近年、意外なビジネスを拡大しつつある。それは「グローバル企業の幹部トレーニング」だ。様々なエグゼクティブ向けのプログラムを用意しており、フォード、ビザなど、名だたるグローバル企業が幹部候補を参加させている。

 美術系大学院に幹部候補を送り込む企業は、いったい何を求めているのか。書名通りに問えば、世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

 それは教養を身につけるためではない。彼らは、功利的な目的のために「美意識」を鍛えている。

 なぜなら、これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りはできない、ということをよくわかっているからだ。

「論理・理性」から「直感・感性」の時代に

 経営における意思決定には、いくつかのアプローチがある。それらを「論理と直感」、「理性と感性」という2つの対比軸で整理してみよう。

 まず、論理と直感については、「論理」が論理的に物事を積み上げて考え、結論に至るという思考、「直感」は最初から論理を飛躍して結論に至るという思考として対比される。

 次に、理性と感性については、「理性」が「正しさ」や「合理性」を軸足に意思決定するのに対して、「感性」は「美しさ」や「楽しさ」が意思決定の基準となる。

 ここ20年ほどを振り返ると、日本企業の大きな意思決定の大半は「論理・理性」を重視して行われている。そのため、「『直感』や『感性』を意思決定の方法として用いている会社なんてあるのか?」と思う読者もいるかもしれない。

 しかし、実はそういった例は少なくない。例えばソニー。同社の「会社設立の目的」の第1条には「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」とある。平たく言えば、「面白くて愉快なことをどんどんやっていく」ということだ。

 そういう目的を掲げる以上、「何をやるべきか、やるべきでないか」という意思決定の際に準拠すべき基準は「面白いのか? 愉快なのか?」という軸、つまり「理性よりも感性」になる。

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