2014年4月号掲載

柴田和子 終わりなきセールス

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著者紹介

概要

30年連続生保セールス日本一。“伝説のセールスマン”、第一生命保険の柴田和子氏が、75歳で定年を迎えたのを機に著された1冊。セールスのあり方、人脈づくり、人の育て方など、長年の経験で得たものを伝える。「セールスで大切なのは熱い思い、信念です」。序章のこの言葉通り、単なるテクニックではない、人間力に根差した「最強の成功哲学」が披露される。

要約

セールスマンの経験から得たもの

 2013年8月6日付で、私は第一生命保険の営業調査役を退き、名誉調査役になった。

 75歳が定年ということで、セールスの第一線を退いたわけだが、私はまだ働き続ける。最近では営業よりも講演などの仕事を中心にしている。

 セールスで大切なのは熱い思い、信念である。セールスは話法さえ身に付ければいいという簡単なものではない。人間力が大きく物を言う仕事だ。現場では、血へどを吐く思いをして働いてきた。

 その経験から得たものを、少しでもお伝えできればと思う。

61歳で辞めるつもりだったが

 50代の頃は順調に成績を伸ばしていたが、実を言えば、61歳で仕事を辞めるつもりでいた。

 だが、実際に60歳を迎える頃には、「辞めるわけにはいかないな」と考えが変わっていた。1つには、後継者の問題があったからである。

 53歳の頃、ある企業の部長にこう言われた。

 「60歳で辞めるということはあと7年ということだ。これじゃあ、もう大きな契約や長期の契約は、君のところとは結べないな」

 幸いなことにその後、2人の娘が第一生命に入社して、後継者づくりの第一歩を踏み出せた。しかし、後継候補が入社して気づいたのは、彼女らを育てねばならないということだった。

 娘たちを育てるには、私が先頭に立って手本を示す必要がある。また、契約してくださったお客様は2万人を超えており、引き継ぎには時間が必要だった。だから、60歳になる頃には「これは、もう辞められないな」と思った。

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