2010年5月号掲載

なぜ危機に気づけなかったのか 組織を救うリーダーの問題発見力

Original Title :KNOW WHAT YOU DON'T KNOW:How Great Leaders Prevent Problems Before They Happen

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著者紹介

概要

大きな危機やトラブルは、単一の根本的な原因というよりも、小さな問題が積み重なって生じることが多い。ということは、問題が小さなうちに気づき、対処するならば、大きな危機、トラブルも未然に防げるはず。本書では、9.11同時多発テロ、航空機事故等々、各種の事例を基に、リーダーが問題を早期に発見する上で必要な“7つのスキル”を解説する。

要約

問題発見の7つのスキル

 どの企業でも創業当初の組織は非常に単純で、フラットな構造である。だが、成長するにつれて複雑化し、階層的になっていく。

 そして、複雑な組織構造の中で、重要なメッセージが必要なところに届かなかったりする。

 例えば、9.11の悲劇は、複雑な組織構造がいかに問題を覆い隠すかを如実に示している。

 米国ではテロと戦うため、中央情報局(CIA)、連邦捜査局(FBI)、連邦航空局(FAA)に加え、国務省と国防省傘下の多数の部署が活動していた。

 そして連邦政府で働く様々な人たちは、2001年9月11日以前に、どこかで攻撃があるという情報を得ていた。だが、極めて重要ないくつかの情報はしかるべき高官の耳にまで至らなかった。

 つまり、連邦政府の組織構造と制度の複雑さにも、テロを許した責任の一端があるのだ。

 9.11委員会は、次のような結論を出している。

 「情報が共有されていなかった。(中略)政府の各機関は病院における専門家チームのように、個々に検査を指示し、症状を診察し、薬剤を処方している。だが、ここで欠けているのは、全員がチームとして機能しているかどうかを確認する主治医である」

 組織の機能停止や崩壊は一瞬で起こるものではない。それは何カ月、あるいは何年も前に遡る、小さな問題や過失から始まっている。時が経つにつれて、小さな問題が大きな危機になるのだ。

 こうした、組織を脅かす小さな問題を効果的に見つけるためには、リーダーは、次の7つのスキルと能力を身につける必要がある。

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