2016年6月号掲載

なぜ人と組織は変われないのか ハーバード流 自己変革の理論と実践

Original Title :Immunity to Change:How to Overcome It and Unlock the Potential in Yourself and Your Organization

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著者紹介

概要

人、組織を変えるのは難しい。ある研究によると、生活習慣を改めないと心臓病で死ぬと医師に言われても、85%の人が何もしない。自己変革の重要性がわかっているにもかかわらず ―― 。何が変革を阻むのか。発達心理学と教育学の権威が、人と組織が変われない真の要因を見つけ、変革を可能にするための新しい手法を示す。

要約

今、求められる知性とは

 変化のスピードが速まり、グローバル化が進む今日の世界。そうした中、組織のリーダーと部下に求められる役割も変化している。

リーダーと部下に求められる役割の変化

 まず、部下についていえば、昔は、与えられた役割をこなし、上司の指示に従っていれば十分だった。だが今は、科学と技術の進歩が加速して競争が激化している。その結果、すべてのメンバーがこれまで以上に高度な知識と技能に加え、高度な独立性、自発性などを持つことが要求されている。

 では、上司やリーダーについてはどうか。

 昔のリーダーは、価値ある目標と合理的な規範を打ち出し、それらに合わせた体制を築けば務まった。だが、変化の速度が増すにつれ、組織を運営するだけでなく、組織とその規範、使命、文化を組み換えられるリーダーが必要になっている。

 例えば、安価な汎用品を生産していた企業が、個々の顧客のニーズに応じた製品を生産したり、企業向けのサービスを提供するビジネスに転換したりしようと思えば、その会社で働く人々に求められる能力は大きく変わる。

 組織がこのような転換を行う時には、社員はマーケティング、マネジメント、広告に関して、それまでと違う手法を身につけ、新製品投入のサイクルを速めていくことが求められる。

 要するに、働く人すべてが、知性のレベルを次の次元に向上させる必要がある。

 だが、果たしてそれは可能なのか?

人が直面する2つの課題

 技術的な課題とは、例えば盲腸の手術を成功させたり、不具合で前輪が出ない旅客機を無事に着陸させたりすることである。高度な任務ではあっても、それをやり遂げるためにどのような技術を習得するべきかが明確な課題である。

 しかし、あなたが今日と明日の世界で直面する課題の多くは、既存の思考様式のままで新しい技術をいくらか身につけるだけでは対応できない。そうした課題をハイフェッツは、適応を要する課題と呼ぶ。この種の課題に対応するためには、思考様式を変容させなくてはならない。

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