2026.6.15

編集部:小村

職場にいる“問題児” 彼らのポテンシャルを活かすカギは、「ダーク・パワー」にあり!

職場にいる“問題児” 彼らのポテンシャルを活かすカギは、「ダーク・パワー」にあり!

 藤子・F・不二雄ミュージアムの公式サイトによれば、本日6月15日は国民的人気漫画『ドラえもん』に登場するジャイアンの誕生日です。

 ジャイアンといえば、映画では勇敢で義理人情に厚い姿を見せる一方、普段は乱暴で自己中心的。のび太たちにとって頼りになる場面もあるものの、少々“扱いづらい存在”といえるかもしれません。
 こうした人物は子どもの世界だけの話ではありません。大人の世界、つまり職場にも、ジャイアンのように勝手気ままに振る舞い、周囲を困らせる人たちが少なからずいます。そして多くのリーダーが、「彼らとどう接すればいいのか」「1人1人が持つポテンシャルをどう組織の力へと変えていけばよいのか」と頭を悩ませているのではないでしょうか。

 今回は、そうした悩みに応える1冊をご紹介します。扱いづらい部下の実態と、その力の活かし方を説いたビジネス書、『部下のポテンシャルに疑問を持ったら読む本――高業績者が持つダーク・パワーの秘密』(鈴木智之、須古勝志 著/日経BP 刊)です。
 本書は、“扱いづらい部下”こそ、その特性を適切に理解し、マネジメントすることで、組織の成果を大きく押し上げる存在になり得ると説いています。

反社会的行動の原因となる“ダーク・トライアド”

 自分が特別扱いされないと不機嫌になる、ウソをついて問題を隠蔽する…。職場には、周囲を困らせるこうした行動をとる人がいます。
 本書によれば、その行動の背景には「ダーク・トライアド」という3つの性格特性があるといいます。その性格特性とは、次のようなものです。

 

嘘をついてでも自分の勢力・権力を拡大しようとする人。
自己愛傾向が強く、自分は他人とは違う特別な存在だと信じる人。
感情的反応が少なく、自分の欲求充足にしか興味がなくて衝動的な人。
それぞれ順に(中略)マキャベリアニズム、ナルシシズム、サイコパシー傾向と呼称されます。

(『部下のポテンシャルに疑問を持ったら読む本』 4~5ページ)

 

 こうした性格特性を持つ人々は、これまで「反社会的」な人として扱われることが一般的でした。しかし、近年の欧米における研究によって、そうした見方は変わりつつあると本書はいいます。

“ダーク・パワー”に目を向ける

 例えば、ナルシシズムの性格特性を持つ人を見てみましょう。
 その人は先述のように、自分は特別な存在だという意識が強く、周囲からの助言を聞かずに暴走するという反社会的な面を持っています。しかし、自分に高い達成目標を課して、それに向けて突き進むという面もあり、きっかけ次第では望ましい行動につながることもある、と本書は述べています。

 つまり、反社会性を生む強烈なパワーが、何かのきっかけで“向社会性”へのパワーになることもあるのです。本書ではこれを「ダーク・パワー」と呼んでいます。
 冒頭で触れた『ドラえもん』のジャイアンを例にとると、普段は仲間をいじめるのに使われているパワーが、映画では敵を倒し仲間を守るために使われる ―― そんなイメージに近いかもしれません。

 本書では、反社会的な行動をとる部下のポジティブな力、すなわち「ダーク・パワー」の引き出し方について、3つの性格特性(マキャベリアニズム、ナルシシズム、サイコパシー傾向)ごとに詳しく解説しています。

類書のあまりない書籍

 著者たちは『部下のポテンシャルに疑問を持ったら読む本』の特色について、次のように語ります。

 

ビジネス場面に特化して、ダーク・トライアドの向社会的な面について、科学研究と経営実践の両方の視点で解説した書籍は、わが国ではおそらく本書が初めてのものになると思います。

(『部下のポテンシャルに疑問を持ったら読む本』 4ページ)

 

 マキャベリアニズムやナルシシズム、サイコパシーといった性格特性は、心理学系の書籍などではネガティブな面を取り上げられることが多いように思います。そのため、そうした性格を持つ部下がいた場合、リーダーは「どうやって排除するか」「どうやって性格を直すか」といった思考に陥りがちです。
 しかし本書はそれとは別の視点を提示し、ビジネスの現場で「扱いづらい人」を「活躍できる人材」へと変えるためのヒントを与えてくれます。

 部下の強みを見抜きたい、問題行動の背景を理解したい、チームのパフォーマンスを最大化したい…。そんなビジネスリーダーにこそ、ぜひ手に取っていただきたい1冊です。

(編集部・小村)

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 「編集部員が選ぶ今週のPick Up本」は、日々多くのビジネス書を読み込み、その内容を要約している編集部員が、これまでに『TOPPOINT』に掲載した本の中から「いま改めてお薦めしたい本」「再読したい名著」をPick Upし、独自の視点から読みどころを紹介するコーナーです。この記事にご興味を持たれた方は、ぜひその本をご購入のうえ通読されることをお薦めします。きっと、あなたにとって“一読の価値ある本”となることでしょう。このコーナーが、読者の皆さまと良書との出合いのきっかけとなれば幸いです。

2024年9月号掲載

部下のポテンシャルに疑問を持ったら読む本 ――高業績者が持つダーク・パワーの秘密

職場に「問題あり」の人はいないだろうか。出世のため嘘をつく、特別扱いされたがる、自分のことしか考えない…。上司は、こうした人を「ダメな部下」と決めつけがち。だが実は、彼らには高いポテンシャルがある。その秘められた力、「ダーク・パワー」を徹底解説。“外れた”社員も、きっかけと心構えを整えれば、きっと輝く!

著 者:鈴木智之、須古勝志 出版社:日経BP・日本経済新聞出版 発行日:2024年6月
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