いよいよ、2024年も残り2日となりました。
今年最後の「今週のPick Up本」では、2024年を締めくくるに相応しい、また2025年を始める上でもぴったりな本をPick Upします。『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(藤尾秀昭 監修/致知出版社 刊)です。
本書は、月刊『致知』のインタビューや対談記事などから、一流の人物が人生の哲学や生き方について語った言葉を編纂したものです。
収録された人物は、総勢365名。1月1日から12月31日まで、1日につき1人の言葉を読む構成となっており、ちょうど1年かけて読了できるようになっています。
作家に経営者、スポーツ選手に僧侶など、語り手のバックグラウンドは様々。だからこそ、本書のどこかに必ず、自分に“刺さる”言葉が見つかることでしょう。
『TOPPOINT』では、こうした多彩な顔ぶれの中から、作家の五木寛之氏や棋士の米長邦雄氏、哲学者の森信三氏など、6名の言葉を紹介しています。
12月30日
『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』は、2022年上半期の「TOPPOINT大賞」で2位にランクインした本でもあり、すでに読んだという方も多いかもしれません。ですが、そんな方にも再読をお勧めしたい1冊です。
その1つの理由は、ぜひ「今日」から読み始めていただきたいからです。
12月30日の語り手は、iPS細胞に関する研究でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授。タイトルは、「会社経営は常に全力疾走である」です。
山中教授は、京セラ創業者の稲盛和夫氏と対談した時のことを振り返って、こう語っています。
普段心掛けていることについて概略こう話しました。
「僕はもともと走るのが趣味で、(中略)フルマラソンを走っています。(中略)いいタイムで完走するためにはペース配分をきちんと考えて、途中で水分や栄養も補給しながら、ペースを乱さずに走り切ることが大切です。(中略)研究開発もそれと同じで、特に医学の分野では20年、30年という長い歳月を要します。途中で息切れしないように、ペース配分を考えて毎日頑張っています」(『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』 407ページ)
超一流の研究者は、見ている時間軸が一般の人とは1桁も2桁も違うことがよくわかる言葉です。
では、この言葉を受けて、稲盛氏は何と答えたのでしょうか。タイトルから想像がつくとは思いますが、こう語ったそうです。
すると稲盛さんは、
「僕は違う。いつも全力疾走だ」
とおっしゃったのです。(『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』 407ページ)
この一言に込められた稲盛氏の思いは、ぜひ、実際に本書を読んでみてください。
京セラ、KDDI、そしてJALと、経営の第一線を走り続けた稲盛氏の人生哲学が、鬼気迫る言葉で綴られており、きっと「読めば心が熱くなる」はずです。
12月31日
その翌日、1年を締めくくる12月31日に登場するのは、平澤興氏です。明治から平成を生きた医学者で、京都大学の第16代総長も務めた方です。
氏の言葉は、次のような一節から始まります。
常に人たることを忘るること勿れ 他の凡俗に倣ふの要なし 人格をはなれて人なし
ただ人格のみ永久の生命を有す(『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』 408ページ)
本書によると、この言葉は大正10年(1921年)1月1日、平澤氏が20歳の時に記したもので、生涯の座右の銘としたそうです。
20歳の若さで確固たる自分の芯を定め、それを生涯貫く。平澤氏の言葉と生き方は、2025年をどう生きるか、そして仕事とどう向き合うかを考える上で、心に火をつけてくれるでしょう。
自分だったら翌日の1月1日にどんな「生涯の座右の銘」を記すか、読み終わった後に考えてみるのもいいかもしれません。
なお、今回ご紹介した12月30日と31日の2人は、『TOPPOINT』では取り上げていないものです。興味を持たれた方は、ぜひ実際に本書を手にしてみてください。
*
もちろん、本書は1月1日から始まる本なので、年始から読み始めるのが自然ではあります。
一方で、今日から読み始めれば、2024年の自分は1年をどう過ごしてきたのか、内省する時間が持てるでしょう。
山中教授、稲盛氏、平澤氏。超一流の方々の言葉を胸に、この2日間で2024年を振り返る。そして、2025年の改善点・目標を洗い出した上で、1月1日から1日1話ずつ読んでいく。既に読了済みの方も、そうした読み方をしてみれば、また違った印象で読み進められるかもしれません。
毎日読む1話は、2024年のうちにつけた心の火にくべる薪となり、心の火をより強く燃え上がらせてくれるはずです。
今日から1年をかけて、じっくりと『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』を味わってみてはいかがでしょうか。
(編集部・西田)
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「編集部員が選ぶ今週のPick Up本」は、日々多くのビジネス書を読み込み、その内容を要約している編集部員が、これまでに『TOPPOINT』に掲載した本の中から「いま改めてお薦めしたい本」「再読したい名著」をPick Upし、独自の視点から読みどころを紹介するコーナーです。この記事にご興味を持たれた方は、ぜひその本をご購入のうえ通読されることをお薦めします。きっと、あなたにとって“一読の価値ある本”となることでしょう。このコーナーが、読者の皆さまと良書との出合いのきっかけとなれば幸いです。
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