一般社団法人日本記念日協会によれば、今日、11月11日は、同協会が認定した記念日が1年で3番目に多い日だそうです(1位は8月8日、2位は10月10日)。
1111という数字の並びが細長い食べ物を連想しやすいらしく、「ポッキー&プリッツの日」や「スティックパンの日」といったお菓子や食べ物関係の記念日が多く認定されています(「ニュース・新着情報」/日本記念日協会HP 2023年11月3日)。
確かに1が並んでいると、そうした形の食べ物を想像してしまいます。ですが、これを「鉛筆(ペン)」に見立てた記念日も認定されています。
それは、「コピーライターの日」です。2007年に株式会社宣伝会議が制定しました。
コピーライターとして独立して活躍する人や、広告会社に勤めてコピーライティングを行う人だけでなく、企業の広報担当者としてコピーライティングを業務にする人もいるでしょう。企業が自社のWEBサイトやSNSを通じて情報発信を行う現在、コピーライティングの力はますます求められているように思います。
『TOPPOINT』でも、これまでコピーライティングのスキルを高めてくれる良書をいくつかご紹介しています。今週はその中から、『コピーライティング技術大全 百年売れ続ける言葉の原則』(神田昌典、衣田順一 著/ダイヤモンド社 刊)をPick Upします。
売上を上げるコピーライティングの秘密を公開
『コピーライティング技術大全』は、「四半世紀以上にわたって培ってきたコピーライティング技術の集大成」―― 。著者の1人、神田昌典氏は、こう書いています。そしてその言葉通り、この本では使いやすく、結果につながるコピーライティング技術の数々が紹介されています。
それらの技術は主に、顧客への直接販売を目的とした「レスポンス広告」で活用できるものです。売りたい商品を具体的に説明した後、最後に「お申し込みはこちら」といった案内があり、顧客がWEBやハガキ、電話等で直接申し込める…。こうしたレスポンス広告で売上を上げるためには、コピーライティングの技術は不可欠である、と著者たちは述べています。
ただ、本書はレスポンス広告を作る人だけに役立つものではありません。この本からは、「人を動かす文章」とはどのようなものかを学ぶことができます。広告以外の仕事に携わるビジネスパーソンも、本書で説かれる様々な技術を身につけることで、自らが持つ「専門技術の価値」を外に向かって明確に伝えられるようになるでしょう。
ベネフィットの提供で売上アップ
では、コピーライティング技術によって売上が上がるようになるのは、なぜでしょうか。その理由の1つとして、著者たちは顧客に「ベネフィット」を提供することを挙げています。ベネフィットについて、本書は次のように定義します。
その商品・サービスを購入すると、購入者にとってどんないいことがあるのか?
(『コピーライティング技術大全』 37ページ)
その商品やサービスが、困っている問題を解決したり、かなえたい理想を実現したりしてくれる。それを示すのがベネフィットであり、特長やメリット(その商品の特に優れたところ)とは異なるものです。具体的な例として、本書『コピーライティング技術大全』のベネフィットは、次のように書かれています。
あなたは、本書でコピーライティングの技術を習得したいと思っている。しかし、あなたは「コピーライティング自体を学びたい」わけではない。コピーライティングを学んだ結果、あなたの商品・サービスが売れるようにしたいのだ。だから、本書のベネフィットは、「コピーライティングが学べる」ではなく、「商品・サービスが売れるようになる」である。
(『コピーライティング技術大全』 38ページ)
ベネフィットを読み手にアピールすることが売上アップにつながる、と本書はいいます。こうしたベネフィットの考え方は、広告作成だけでなく、先述したような自身の専門技術をアピールする際にも役立つのではないでしょうか。
見出しを作る3つのステップ
さて、広告の文章を作成する上で重要なのが「見出し」です。人は見出しを見て、自分に関係あるものか、読むに値するものかを瞬時に判断する、と本書は説き、見出しのつけ方を3つのステップで紹介します。
ステップ1:型を知る
ステップ2:型にはめる
ステップ3:インパクトを強める
(『コピーライティング技術大全』 84ページ)
多くの人の目を引くために、インパクトのある見出しを付けることはもちろん大事です。ですが本書は、それよりもまず「型」を知り、型に自分が書きたい内容を当てはめていく、という作業を先に行うべきことを説いています。
では、その「型」には、どのようなものがあるのでしょうか。
この本では、見出しのパターンを15に分類し、パターンごとに具体的な型を紹介しています。型の合計は、66もあります。例えば、「方法提示」というパターンを見てみましょう。その中には、「○○する方法」「○○するための方法」「○○の◎つの方法」「○○しながら◎◎する方法」「○○を◎◎にする方法」「○○しない(防ぐ・やめる・抜け出す)方法」という7つの型が存在します。
著者たちは、こうした型を知り、型に伝えたい内容をあてはめることで、スムーズに見出しがつくれるようになるといいます。その上で、それだけではインパクトが弱いケースもあるため、最後のステップとして、「インパクトを強める」ことが大切だと述べています。
そうは言っても、インパクトの強い見出しを次々と作りだすことは困難です。そのため、本書では見出しにインパクトを出す「8つの要素」を紹介しています。具体的には、「Benefit(有益性)」や「Trust(信頼性)」、「Rush(緊急性)」といった要素となります。著者たちは8つの要素の英語の頭文字をとって「BTRNUTSS(バターナッツ)」と呼んでいます。
ちなみに、『TOPPOINT』の会社案内やWEBサイトでも、本書が説く見出しの作り方を参考にしています。
*
本書は、書名に「大全」とあるように、450ページを超える大部の書です。ただし、日本の広告事例の画像が40点以上、図表も120点以上掲載されており、内容がより理解しやすいようになっています。そのため、通して読むことはそれほど難しくないでしょう。
著者たちは、これからコピーライティングを学ぼうとする人や、まだ経験の浅い人は最初から順に読むことを勧めています。そして実践中の人には、必要な部分を場合に応じて活用することを勧めます。
本書が説くコピーライティング技術は、自社の商品やサービスのアピールだけでなく、自分の能力をアピールすることにも活用できます。『コピーライティング技術大全』は、すべてのビジネスパーソンに読んでいただきたい一冊です。
(編集部・小村)
* * *
「編集部員が選ぶ今週のPick Up本」は、日々多くのビジネス書を読み込み、その内容を要約している編集部員が、これまでに『TOPPOINT』に掲載した本の中から「いま改めてお薦めしたい本」「再読したい名著」をPick Upし、独自の視点から読みどころを紹介するコーナーです。この記事にご興味を持たれた方は、ぜひその本をご購入のうえ通読されることをお薦めします。きっと、あなたにとって“一読の価値ある本”となることでしょう。このコーナーが、読者の皆さまと良書との出合いのきっかけとなれば幸いです。
このPick Up本を読んだ方は、
他にこんな記事にも興味を持たれています。
-
人から信頼される「話し方」とは? NHKで培われてきた一生モノのスキルを大公開
-
2026年、株価の行方をどう見るか 「市場サイクル」で投資判断の精度を高める
-
世界を揺るがす“トランプ関税” 破滅の未来は避けられるか?