今年、社会現象となった映画『国宝』
12月、『TOPPOINT』編集部のある京都では、冬の風物詩「吉例顔見世興行」が南座で開催されています。東西の人気歌舞伎役者が集うこの舞台では、映画『国宝』にも登場した女形舞踊の代表演目「鷺娘」を八代目尾上菊五郎氏が披露します。
今年大ヒットした映画『国宝』は、歌舞伎役者の半生を描いた作品です。6月の公開以降、172日間で観客動員数は1231万人、興行収入は173.7億円を突破し、邦画の興行収入記録を22年ぶりに更新しました(「映画「国宝」、実写邦画で興収歴代首位に 22年ぶり「踊る2」超え」/日本経済新聞電子版2025年11月25日)。
さらに「2025 T&D保険グループ新語・流行語大賞」では、“国宝(観た)”がトップテン入り。第98回米アカデミー賞国際長編映画賞部門では日本代表に選出され、原作小説も2025年文庫部門の年間ベストセラーランキング1位を記録しました(トーハン・日販調べ)。
私も公開直後に映画館で鑑賞しました。歌舞伎という謎めいた世界を、圧倒的な映像美で描いたこの作品が説得力を持つのは、制作陣の並外れた準備と鍛錬あってこそだと感じました。主演俳優は1年半の稽古を積み、役作りに挑んだといいます。
作品の奥に流れるのは「努力の軌跡」であり、華やかな舞台に立てない時期でも芸に身を投じ続ける主人公の姿には、自分もそうありたい、と背筋が伸びるものがありました。
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