先日、塩野七生氏の『イタリアからの手紙』(新潮社)を読んでいて、次のような一節に出合いました。
調べてみると、なんと、皇帝がいなくなって以来、すなわち古代ローマ帝国が崩壊して以来、下水道の掃除はやったことがないというのである。
(中略)
さて、下水道を二千年もの間掃除しなかったということは、二千年前と同じものを現代でも使っているということだが、まさにその通りで、ローマでは、下水道の他に、テヴェレ河にかかる橋も、高速道路以外の街道も、祖先の作ったものを使わせてもらっている。(『イタリアからの手紙』 27・29ページ)