2022年10月号掲載

グランゼコールの教科書 フランスのエリートが習得する最高峰の知性

Original Title :Manuel de culture générale. De l'Antiquité au ⅩⅩle siècle, 4th edition

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著者紹介

概要

「グランゼコール」とは、マクロン大統領らを輩出したフランスの“エリート養成校”のこと。入学するには、文学、歴史、哲学、科学などの総合的知識、すなわち「文化概論」を学ばねばならない。本書はその概要 ―― ギリシアから21世紀までの西欧文明を800頁超にわたり詳述。エリートが習得する教養レベルの高さに驚かされる。

要約

ギリシア

 人間が最初にギリシアに住み着いたのは、紀元前4万年頃とされている。しかし、「最初のギリシア人」がこの地にやってきたのは、紀元前三千年紀の終わりの300年間と考えられる。以来、わずか3000年の間に、我々の文明の基盤となる数々の要素がバルカン半島のこの地で育まれた。

古典期

 紀元前5~前4世紀は古典期と呼ばれ、芸術、学術、そして政治思想が花開いた時代だった。アテネやスパルタなど数多くの都市国家が存在し、互いに争いながらも、自らは、彼らが「野蛮人」と蔑んだ非ギリシア人とは一線を画す、ギリシア世界の一員であるとみなしていた。こうした共通のアイデンティティは、全ギリシア人に崇拝された神殿の祭儀などによって強化された。

 しかし華やかなこの時代には、都市国家間の抗争もしばしば勃発した。原因の1つは、民主制と寡頭制を採用する都市国家間の対抗意識だった。

 “都市国家”は、古代地中海世界によく見られた政治形態であった。都市部、農業が行われた周辺地帯、さらに境界地帯から成る都市国家は、外部の干渉から自由と領土を守るために一緒に暮らすことを選択した人々の集まる所だった。

ギリシアの神々

 古代ギリシアの宗教は、多くの神々が存在する多神教だった。主神ゼウスの統べるオリンポス山には、ゼウス(天空を司る神々と人間の王)、ポセイドン(水と海の神)、アポロン(美と芸術の神)、アルテミス(狩と月の女神)など、12の神々が永遠の若さと美を保って暮らしていた。

 彼らの要求は多く、死すべき人間は絶えず神々に対して祈りや犠牲などを捧げなければならなかった。こうして人間は、自らが劣った存在であると自覚した。神々と対等になろうとすることは、傲慢や過剰に突き動かされた大罪であった。

ギリシア哲学

 ギリシア哲学は通常ソクラテスから論じられる。

 ソクラテスは紀元前470年頃にアテネに生まれた。彼は何も書き残していないが、その言葉は弟子たちによって伝えられている。特にプラトンが著した、『パイドロス』『饗宴』『ゴルギアス』などのソクラテス関係の著作は重要である。これらの対話では、イデアあるいは道徳に、抽象的あるいは一般的な定義を与えようと試みている。

 アリストテレスは20年間、プラトンの弟子として学んだ。師の死後、アレクサンドロス王子(後の大王)の家庭教師となった。アレクサンドロスが王位につくと、アリストテレスは自身の学校リュケイオンを開設した。

 エピクロスは、プラトン、アリストテレスと並ぶ古代最大の哲学者の1人と考えられていた。プラトンの学園で学び、アテネに移住して「エピクロスの園」と呼ばれた学園を開いた。

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