2022年5月号掲載

マインドフルネスストレス低減法

Original Title :FULL CATASTROPHE LIVING

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著者紹介

概要

厄介事だらけの人生を、より良く生きるには? 様々なストレスとうまくつきあうためのプログラム「マインドフルネス瞑想法」を、開発者がわかりやすく紹介。リラクセーションや注意集中力をもたらす心の持ち方、癒しに欠かせない呼吸法など、著者の大学メディカル・センターで行われているエクササイズの数々が披露される。

要約

“今”という瞬間を、意識的に生きる

 私が開設したマサチューセッツ大学メディカル・センターのストレス・クリニックでは、行動医学に基づく「ストレス対処およびリラクセーション・プログラム」を行っている。行動医学では、精神的、感情的要因を重視し、私たちの考え方や行動様式が、病気やけがからの回復能力に大きな影響を与えると考える。

 私は、“注意を集中する”ことを“マインドフルネス”と呼んでおり、上記のプログラムを「マインドフルネス瞑想法」という。これは“注意集中力”を高めるためのトレーニングで、仏教にルーツをもつ瞑想の1つの形式を基本としている。

 注意を集中するとは、「1つ1つの瞬間に意識を向ける」ということだ。この力は、今まではまったく意識していなかったことに、意識的に注意をはらうことによって高まる。

 つまり、マインドフルネス瞑想法は、リラクセーション(緊張がゆるみ、安らいでいる状態)や注意力、意識、洞察力をもたらす潜在的な能力を活かして、自分の人生を上手に管理する新しい力を開発するための体系的な方法なのである。

 ストレス・クリニックにおける私の役目は、何かをしてあげるのではなく、患者が「瞬間瞬間を、意識的に生きる」ことができるように促すことだ。

 人には、誰にでも、それぞれの瞬間を精いっぱい生きる能力がある。

 自分の心や体の声を聴き、自分が体験したことを素直に信じ、問題に対処し、厳しい状況を受け入れることで、より豊かに生きられる。そして人間には自分の置かれた状況をコントロールする能力がある、ということに気づいてもらいたい。

“何もしない”ことを学ぶ

 ストレス・クリニックのクラスをのぞいてみると、患者たちは目を閉じ、静かに座っているか、床の上に身動きもせずに横たわっている。この状態のままで、彼らは10~45分の時間を過ごす。

 別の言い方をすれば、彼らは自分が“存在すること”を学んでいるともいえる。彼らは、何かをすることによって時を過ごすのではなく、意図的に何かするのをやめ、“今”という瞬間の中で、自分を解放しようとしているのである。

 心に気がかりなことがあったとしても、体が不快を感じていたとしても、その瞬間の中で、意図的に、心と体に安息を与えようとしているのだ。

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